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  1. 青森県議会 1991-03-12
    平成3年第185回定例会(第7号)  本文 開催日: 1991-03-12


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(工藤省三君) ただいまより会議を開きます。  議案第一号から議案第四十七号までを一括議題といたします。        ─────────────────────────────────            ◎ 議案に対する質疑        ───────────────────────────────── 2 ◯議長(工藤省三君) ただいま議題となりました議案に対して質疑を行います。質疑は款項を明示し、議題外にわたらぬよう簡明に願います。十五番上野正蔵君の発言を許可いたします。──上野君。 3 ◯十五番(上野正蔵君) 平成三年度の当初予算の中で、今回の予算案は大変久しぶりの大型、積極的な予算で、しかも、その中で農業問題──特に農林の問題については、新規事業等を興しながら県民のニーズにこたえたすばらしい予算だ、こう思っております。これからの青森県農業──これまで打ち出している青森農業ということを、今回の予算の中で、特に畜産問題についても林政問題についても、新たなもの、そして決断され、英断された数々の新しい事業がそこにあらわれてきたということに対して心から敬意を表し、そして御通告に従いまして質問申し上げます。  まず議案第一号、歳出三款一項五目「遺家族等援護費海外慰霊巡拝事業についてであります。最近、シベリア抑留中に亡くなられた方々の名簿がソ連から引き渡され、新聞等で公開されているのであります。戦争終結後も酷寒の地に抑留され、ついに帰らぬ人となって異国の土と化した方々の無念さはいかばかりかと思うものであります。これまでの報道の中にもありますように、我々の想像を絶するような抑留生活の実態が浮き彫りになってきていることも事実でございます。戦後四十五年を経てようやくソ連側から情報が提供され始めたことに対して遺族の方々は、一日も早く埋葬場所を訪ねて慰めてやりたい、遺骨を引き取り先祖と一緒に眠らせてやりたいと期待を寄せていることでありましょう。このことは私自身も、兄が昭和二十年に硫黄島で玉砕されまして、私は当時小学生でありましたが、県の方から、遺骨が来ておるので引き渡すからということで、県に参りまして遺骨を持ち帰った一人として、そしてそれがまた二回とも遺骨が来たわけであります。それをあけてみたときに、小さな白木でつくった、名前も何もない位牌が一つ入っていたその遺骨が二回来ております。そして、その後遺留品も何もないまま、私の兄もそのまま硫黄島に放置されている現状であります。そのことを思うとき、今でもはっきり覚えているんでありまして、シベリアで亡くなられた方々の御遺族のお気持ちも同様であろう、それ以上のものであろうと思うのであります。青森県遺族連合会では、昭和五十一年度から六十年度までの間に、フィリピン、グアム、サイパン、東部ニューギニア、南太平洋及び中国における慰霊巡拝事業を実施したのでありますが、県がこれに助成を行い、その助成によって多くの遺族が肉親の眠る異国の地を訪ね慰霊することができたことは、同じ戦没者の家族として心から感謝してるところであります。しかしながら、シベリアを含む北方地域などについては、多くの戦没者がおられるにもかかわらず慰霊巡拝事業が行われていないままになっていることも事実であります。そこでお伺いするものでありますが、このたびの予算案に計上した海外慰霊巡拝事業の内容には二十名派遣の数字が出ておるわけであります。北方地域で亡くなられた青森県人のおおよその数字は約四千七百名余りあるだろうという数字が出ているわけでありますが、この海外慰霊巡拝事業が実施されていない地域についてどのような計画を持っているのか、今回の予算に計上されている海外慰霊巡拝事業の内容についてお伺いするものであります。さらに、冒頭申し上げたシベリア抑留中に亡くなられた方々の遺骨の収集、あるいは遺品の引き渡しについて県はどのように対応しようとしているのか、お聞かせ願いたいのであります。  次に農業問題でございますが、歳出六款三項三目「畜産経営対策費」についてであります。このことについてはこれまでも、各先生方の一般質問並びに議会等でも数年前から牛肉の輸入自由化対策についての質問がなされ、それに積極的に県当局が取り組んでこられ、今回の予算の中にもその対策として数々の新たな事業を興していただいていることには敬意を表しているわけでありますが、いよいよ来月からこの牛肉の輸入自由化に突入するわけであります。でありますから、これまでは「来年の四月、来年の四月」と昨年まで声高らかにやってきたわけでありますが、あと二週間ちょっとでそれにもろに突入するという現実を踏まえながら、再度ここで私どもは改めてお伺いするものであります。立地条件に恵まれている本県でありますから順調に肉用牛生産は伸びているわけであります。その生産額は最も多く、平成元年度は百十九億円にも達し、畜産粗生産額の約一六%を占める重要な産業となっております。また経営規模においても年々拡大しており、現在では一戸当たりの飼養規模は東北第一位となるまでに成長してまいりました。本県農業の基幹である土地利用型農業の一翼を担う部門として重要な役割を果たしているところであります。このような中で、昭和六十三年の日米、日豪の貿易交渉での取り決めに従い本年の四月から牛肉の輸入自由化が実施されることになり、いよいよ我が国の肉牛生産は国際化の荒波の中に突入し、かって経験したことのない試練に立ち向かわなければならない状況となるのであります。牛肉の輸入自由化に当たっては、自由化の初年度には七〇%の関税が課せられるなどの国境措置が講ぜられるとはいうものの、これからは、世界最大の牛肉生産量を誇るアメリカ、世界一の牛肉輸出国であるオーストラリア等の牛肉大国との競争を念頭に置いた牛肉生産を行っていかなければならないことは言うまでもないのであります。とりわけ、この両国では、自由化が決定した三年前から日本市場の調査を綿密に進めて、その戦略を着々とっくり上げてきていると言われているのであります。さらには日本市場の争奪戦が目まぐるしいばかりに展開されているのでもあります。また、我が国の商社や大手食肉業者などが海外に進出していることは事実でありますし、現地関係者との業務、資本の提携によって日本向けの良質な牛肉に照準を合わせた生産体制を整えていることであります。これが我が国に輸入されて国内市場に大量に出回ることとなると国産牛肉の価格に影響を及ぼし、価格が低落することは避けられないと思うわけであります。一方国内においても、輸入自由化に対抗するため各県の高品質牛肉の生産や販売のための対策を一段と強化されており、今後はますます産地間競争が激化していくものだと思うわけであります。このような情勢の中で本県の牛肉生産者の多くは先行きに一抹の不安を抱いております。その難関を乗り越える方途を模索しているところであります。このため、今後における本県の肉用牛生産については、豊富な草資源を活用して輸入牛肉にも打ちかつ良質牛肉の生産などに努め、肉牛経営の存立を図らなければならない施策が必要だと思うわけであります。そこで質問いたしますが、いよいよ来月から突入する牛肉の輸入自由化に対処して県はどのような対策を講じていこうとしているのか、さらには畜産農家に対しての励ましのコメントも含めてお伺いするものであります。  次に歳出六款五項三目の林業振興指導費アカマツへの取り組みについてお伺いするものであります。林政についてはこれまで私も百七十六回定例会及び百八十一回定例会にも御質問申し上げ御答弁をいただき、さらに、今回の予算案については林業試験場の改築を含めた林産加工研究施設の整備等についての予算が計上され、いよいよやっと日の目を見たわけであります。我が県のこれまでのヒバ、杉を主体にした林政については着々整備がされてきていることには心から敬意を表し、県当局の英断に対して改めてお礼申し上げたいのであります。さて、昨年の十二月に林政審議会が今後の林政の展開方向等について農林水産大臣に答申をいたしたことについては御承知のとおりであります。本審議会の答申内容は、林政の基本方向として国民のニーズにこたえ得る質の高い森林の整備保全を推進するとともに、一千万ヘクタールの人工林を中心として、充実しつつある国内資源の経済的価値を現実化するために、緑と水の源泉である多様な森林の整備、国産材時代を実現するための林業生産・加工・流通における条件整備を林政の基本課題に掲げ、その達成のための諸政策を重点的に展開することが必要、としているのであります。このことは、森林・林業、木材産業の厳しい現状から見ればまことに結構なことであり、時宜を得たものでありますが、先般も申し上げましたが、本県の杉の人工林面積は全国第三位であり、この将来活用のためのこれまでの県御当局の諸施策、例えば、杉銘柄化確立間伐材搬出事業及び杉の枝打ち緊急対策事業等の実施について心から賛意を表しているものでありますが、しかしながら、国民の多面的なニーズにこたえるための多様な森林を整備する観点からすれば、地域の特性を持つ優良な森林の存在を見逃してはならないのであります。私が住んでいる三八管内、特に上十三も含め森林への位置づけはアカマツが非常に多いわけであります。特に三八管内の森林の賦存状況を見ると、民有林面積の三〇%に当たる約一万九千ヘクタールがアカマツであり杉より多いのであります。アカマツ地帯であります。当地域は優良アカマツの産地としてかっては活況を呈したこともあったわけでありますが、現在では杉に比較して材価が低迷していることもあって全盛時代から見るとかなり下回っていることもありますが、それは必ずしもアカマツ全体に当てはまったものではないのであります。なぜならば、樹齢七十年・八十年を超える大きな木となると事情がかなり違ってまいりまして、普通価格の七倍、八倍、十倍もの価格で売れていることであります。本県のアカマツの位置づけは、ややもすると青森県はヒバと杉ということでありますが、松くい虫も全然入っていないアカマツというのは青森県ただ一県でございますから、このアカマツの資源をどのようにこれから地域振興に役立てていくのか、付加価値を高めて地域林業を活性化していくのかということであります。そこで伺うものでありますが、アカマツに対しての取り組み方、姿勢を示していただきたいのであります。時間をオーバーしましたことをお許し願います。 4 ◯議長(工藤省三君) 山内副知事。 5 ◯副知事(山内善郎君) 牛肉の輸入自由化対策についてお答えをいたします。これにつきましては、当面の研究対策といたしましては、肉用子牛の市場価格が一定水準を下回った場合に価格差補てんを行う肉用子牛生産者補給金制度の助成や加入促進を図る一方で、県産牛肉の銘柄化と販売体制の強化のための対策を積極的に推進していくことといたしております。また、中長期的な対策といたしましては、品質の高い牛肉の生産を──何としても輸入牛肉に対抗するには品質の高い肉を生産することが最も必要であろうと存じておるわけでありまして、これに力を入れると同時に、一方では生産コストの低減を図るために受精卵移植技術を活用した改良の促進や飼料自給率の向上等を図っていくことといたしております。特に、今本県肉専用種の主力となっております黒毛和種につきましては、品質の高い牛肉の生産を強化するため、優良系統牛の造成をねらいといたしました黒毛和種優良牛増殖推進事業を新たに実施するため所要の予算を計上し本議会で御審議をいただいてるところでございます。 6 ◯議長(工藤省三君) 生活福祉部長。 7 ◯生活福祉部長秋田谷恒夫君) 海外慰霊巡拝事業についてお答え申し上げます。議員からお話がありましたとおり、県はこれまで、海外で亡くなられました本県出身戦没者のみたまを慰霊するために青森県遺族連合会が昭和五十一年度から六十年度までの間に九回にわたって実施いたしました、フィリピン、グアム、サイパン等の南方地域、及び旧満州を初めとする中国地域の海外慰霊巡拝事業に対しまして助成を行ってきたところでございます。しかし、ソビエト連邦を含む北方の地域等につきましてはまだ実施していなかったところでございます。近年、国際情勢が緩和の方向にあること、遺族の方々の高齢化が進んでいること、このような事情もございまして、県といたしましては、これらまだ実施していない地域の戦没者の遺族の方々の心情等を考慮いたしまして、平成三年度に青森県遺族連合会が実施いたします、ソビエト連邦サハリン州──旧樺太地域でございますが、このサハリン州におきます慰霊巡拝事業に対しまして、遺族の方々二十名の参加旅費等について助成することといたしまして、所要の経費を当初予算に計上いたしまして御審議をお願いしてるところでございます。  次に、シベリア抑留中に亡くなられた方々の遺骨収集及び遺品の引き渡しに関する対応についてでございますが、現在、シベリア抑留死亡者の名簿の一部が民間のレベルで引き渡されまして公開されておりますが、国におきましては、このシベリア抑留死亡者名簿はもとより、遺品につきましても、政府間レベルの引き渡しが行われた場合に所要の確認作業などを行った上で関係の都道府県に対し正確な情報を提供する、このようにしております。したがいまして県といたしましては、一日も早く政府間レベルでの引き渡しが行われまして、遺骨収集につきましても早期に実現するよう国に要請してまいりたい、このように考えております。 8 ◯議長(工藤省三君) 農林部長。 9 ◯農林部長(本儀 隆君) アカマツへの取り組みについてお答えいたします。議員御提言のアカマツは、かって南部地方の銘柄樹種でございましたし、今でも大径材はかなり高価に取引されているわけでございます。そういうわけで将来の有力ブランドになり得るものと考えてございます。ただ残念ながら、今日南部地方の松林のうち大径材──七十五年生を超えるようなアカマツというのが十八ヘクタール、〇・一%しかないわけでございまして、現実には二十年生から五十年生のものが大部分であるわけでございます。したがって、大径材を相当量安定的に出すというふうにするには四十年、五十年がかりの長期的な視点で取り組まなくてはならないわけでございます。したがいまして、今後アカマツ林の施業に関しましては、一定の林分を一斉に切ってしまうというのではなくて、抜き切りというやり方で、松材を出して地域林業あるいは木材産業を維持育成しながら森の方は複層林という形で大径材を残す、そういうやり方がいいのではないかと考えてございます。このような施業に対しましては国庫補助によります長伐期高度機能林整備事業というものが制度化されてございます。この事業のアカマツへの活用を考えてまいりたいと考えてございます。以上です。 10 ◯議長(工藤省三君) 上野君。 11 ◯十五番(上野正蔵君) どうもありがとうございました。  今のアカマツの問題についてでありますが、確かに大径木は少ないわけでありまして、これが最近特に、岩手から以南の方はもう松くい虫にやられまして、特に一関以南はほとんどないわけであります。全然松くい虫が皆無で、これから一番大事にしなければならぬのが我が青森県の県南のアカマツであります。そういうことを考えるときに、アカマツの樹齢は今大体四、五十年の木が最も多いわけでありますが、最近の傾向として、大阪や京都の関西方面の神社、仏閣、そしてまた和風の高級住宅、こういうようなものに青森県の南部アカマツが最高ということが特に言われまして、もう買いあさりがどんどんどんどん入ってきているわけであります。それが、大きいのも小さいのもという、間伐方式のまでもだんだんあさってきている、こういう現状であります。南部アカマツはじゃ青森県の木でないのかと言われてしまえば私どももちょっと気になるわけでありまして、最近特に、三八の森林組合の関係者、また林業関係者は、何とか我々も間伐やら除伐やら、そういうようなものに力を入れながら、実生で生えるこの地域でありますからこれほど管理、育てやすいものはないし、これだけ貴重な南部アカマツであるから何とかこれにこれからもっと力を入れてやってほしいという強い要望も出ておりますし、またやる気を十分起こしてきていることも事実であります。そういうことで、これからの取り組みの中に南部アカマツが青森県の木だということを位置づけながら、上十三を含めた、かって甲地アカマツ南部アカマツと言われたその時代をまた掘り起こす絶好のチャンスではないのか、こう考えるものであります。北海道にはもうアカマツはございませんし、岩手までは松くい虫にやられてきてる。残されてるのは青森県と岩手県北の一部で、これをここで守らなければまた、ほっておくことによってアカマツに松くい虫がどんどん入ってくる、もうそうなってきたときは、これまで植林のために高額の資金を借りたりいろいろやって育ててきているのにもかかわらずそれができないということになれば、これは林家の方々はもう大変なことになりはしないか、ということを懸念するものであります。なお、先般農林中金の貸し付けの条項を見たときに、アカマツは担保性がないからアカマツの山は入れないんだと言う。杉とかヒバとかそういうようなところには、例えばいろんな資金を出すにも担保性があるからそれを担保するんだけれども、アカマツはなぜならないのかと言ったら、松くい虫が入ってくるおそれがあるからこれは資金の対象にならないと言う。こんなことがあっていいのかということを私自身も考えておりますので、今後いろんな面でまたこのアカマツの見直し、そしてまたこれを青森県の優秀なアカマツとして方向づけていけるような努力を心からお願い申し上げ、以上で終わります。どうもありがとうございました。
    12 ◯議長(工藤省三君) 三十七番建部玲子君の発言を許可いたします。──建部君。 13 ◯三十七番(建部玲子君) 社会党の建部であります。通告に従いまして質問いたします。  まず第一に、歳出四款五項三目「原子力環境対策費」安全協定についてお伺いいたします。アメリカのスリーマイル・アイランドあるいはソ連のチェルノブイリの事故、そういう事故が起きるたびに政府、事業者は、これらの事故というのは日本では考えられない事故なんだ、原子力技術の違いもある、あるいは国柄もある、こういう形で安全を強調してきたわけであります。しかし、今回の美浜原発でその安全神話というのは本当に崩れたと思います。実は、「若狭の原発を案じる周辺住民の会」というのがございまして、この美浜原発事故の約一週間ぐらい前に高浜二号炉の運転再開について申し入れをしているわけで、そのときに、「細管の損傷は全細管の老化、劣化のあらわれだから、対症療法でごまかしていては細管の破断から原子炉の空だきという最悪の事態を招く」こういう申し入れをしていた。そのときに関西電力は「細管の材質は粘りのある合金だから瞬時に破断するようなことはあり得ない」、つまりギロチン破断はあり得ないということを述べ、「小さな穴やひび割れができた段階で、漏れ出してくるわずかな放射能を検出してすぐに原子炉をとめることにしているから全く心配ない」と。それに対してまた住民の側は「米国では既に五回も起きてるじゃないか」と言いました。それに対する関西電力の言い分はまた、「外国の原発では細管から少々放射能が漏れても運転を続けているところが多いからそういうことも起こるのではないか」など、こういうことを繰り返していたわけです。しかし、その約一週間後に美浜原発で、あのような起こるはずのないと言われる事故が起きてしまいました。その原因についてはけさの新聞に大変大きな見出しで──「振動抑止金具にミス」という見出しで各社の新聞がいろいろ述べてるわけですが、私は、このことは通告してもおりませんし、これについてはきょうは質問しませんけれども、そういうことで、検査をして、安全審査をして大丈夫だと言ったものでこういう事故が起きたということで、私は、通常の検査でも異常が認められずにこういう事故が起きたということは、もうその審査自体、検査自体が全く信頼できないということを国民に明らかにしたと思うんであります。知事は、六ヶ所の核燃サイクル施設についても、まず安全性の確保が事業推進のかなめであり、そして、それは国や事業者が責任を持って進めるんだと言い続けてまいりました。今日事故を起こしました美浜原発二号機も、先ほど言いましたようにいろいろな審査をクリアして運転されていたのでありますから、安全ということはもう担保できない、私はこのように思うわけです。ところで、国語辞典をひもといてみますと、安全とは「危なくないこと、傷ついたり壊れたりしないこと」と記述されてるんであります。再三危ない状況を呈し、あるいは傷つき壊れているのが現状でありますから、安全の定義から著しく外れてきているのが今の原子力発電だ、こう指摘せざるを得ません。安全審査の「安全」とか、あるいは安全協定の「安全」とか、「安全」というまくら言葉をつけることによってあたかも住民を危険から守れるんだというようなそういうニュアンスがあるんでないだろうか、こういう気がいたします。そこで、安全だということを幾ら繰り返しても、百遍繰り返しても、あるいは安全という言葉を百遍書いたとしても、それで私たちの安全が保証されたことにはなり得ないと思っています。まあ、いついかなる事故が起きるのかだれも予測できませんし、そこで、事業者が事業を推進するに当たり今安全協定を結ぶと、このことについて私は実は十二月議会で質問いたしました、安全協定というのは法的裏づけがないのではないかと。それに対して環境保健部長は、「安全協定は法律の定めによるものではなく、操業の安全性を地元の立場から確認していくことが必要であり、安全協定は責任と義務が生じる契約的性格を持つものである」こう答弁したわけです。契約というのは法律上効き目のある約束を指します。しかし、これは法律上何ら裏づけのない地元と事業者のまさに紳士協定でありませんか。部長が幾ら契約的と答弁なされても、これは道義的責任と義務の範疇を超えないと思うわけであります。そこでお聞きいたしますけれども、この安全協定には法的裏づけがないために事業者が守らなくとも何の罰則もございません。一体どのようにしてこの安全協定は完全に履行され得ると県は考えているのか、その根拠を示していただきたいと思います。  次に四款一項一目「公衆衛生総務費」についてお伺いいたします。これは母子保健対策であります。今回計上されました予算に妊婦健康審査委託事業費一億二千九百七十七万一千円が計上されています。健康な赤ちゃんを産むということは、まず健康な母体から生まれる。このことはもう常識でありまして、もちろん肉体的健康のみならず精神的健康も加味されなきゃなりません。そして、まさに結婚し出産する年齢の女性だけに当てはまるものでなくて、まずは小さいときからの栄養管理なり、あるいは環境なり、あるいは医学的知識なり、出産に対するきちんとした知識なりを持つ、そういういろんなことが加味されて、健康な赤ちゃんが産めるという条件になるだろうと思うんです。現実に青森県の場合は乳幼児の死亡率が大変高うございまして、県からいただいた資料によりましても、平成元年度で下から一番目──下から一番目ということは最悪ということなんですけれども、平成元年度の資料によりますと、乳幼児死亡率は全国で悪い方の一番目であります。そして、昭和三十六年からのこの統計をずうっと見てみましても、いつでも下から数えて二番目か一番目か、一番いいときで二十番というときもありましたが、そして隣の岩手県と青森県が常に悪いワーストワンを争ってきてるわけであります。こういう状況の中で、実は昭和五十四年に初めて県議会に出ましたとき私は、この乳幼児死亡率の高さには健康管理も大きく影響するんじゃないだろうかということから、妊婦の健康診断を県が事業として無料でやりなさいと求めたことがあります。そのとき知事は、それは医師会とも相談をしなきゃならない、いろいろなことをクリアしなきゃいけないという答弁を繰り返したのみでございました。その後も私は一般質問あるいは常任委員会で、まず妊娠中のお母さんの健康管理を県がきちんと位置づけるべきだという主張をし続けてきたのであります。まあこれは今やっと予算が計上されましたけれども、私はこの二回の無料の健診で足りるんだろうかと。そして、いろいろとその方法を聞いてみましたら、早期妊娠届をしたときに、つまり母子手帳をいただくときに二枚の無料妊婦健診を添付するのだと。こういう方法でありますから、これは当然妊娠届をしないといただくこともできません。そこで具体的な質問でありますけれども、妊娠中の母体保護、あるいは専門医、助産婦などによる健診、指導ということも必要でありますし、健康な赤ちゃんを産むためには出産までに適切な健診回数というものを一体いかほど受ければいいのか、理想的なのか、まあ環境保健部長はお医者さんという立場でありますからこういうことは常識として当然持っていらっしゃると思いますので、そのことについてお伺いいたしたいと思います。さらに、母体保護の立場から今後どのような施策を講じようとしているのか、そのことをお聞きいたします。さらに早期妊娠届は全体の妊娠届の何%いっているのでしょうか。それから、妊婦委託健診の件数は平成三年度にはどのくらいを見込んで今回こういう計上をなされているのか。それから、先ほど触れましたように、なぜこういう事業が今やっと始まるのか。というのは、お聞きしましたところ、この事業に取り組んでいない県は──残された県はあと兵庫県だけだそうですね。つまり青森県は四十六番目なんです、この事業に取り組んでいるのが。そして、国では既に昭和四十八年に所得制限を撤廃し、その県がそれに取り組むならば補助金を出しますよという制度ができていたわけですね。にもかかわらず、今日まで乳幼児死亡率ワーストテンに常に入っていた青森県がなぜ全国四十六番目にしてやっとこれに手をつけるという事態になったのか、その原因を明らかにしていただきたいと思います。  次に歳出四款一項二目であります。時間もありませんので簡単にお聞きいたします。結核対策費に低肺患者対策事業費が新規に盛り込まれております。これについてはさきの議会で相馬議員が詳しく質問しておりましたけれども、この県の検査結果からいきますと低肺機能者というのはほとんど大方は結核の後遺症であると。こういうことからするならば、結核の最たる専門病院である国立療養所青森病院を県として低肺患者の治療並びにリハビリテーションとして位置づけられないのかと。ただ、この病院は結核病院でありますから、医療法上クリアしなきゃいけないいろんな問題がたくさんあると思います。現実に青森病院では今、一般病棟に低肺患者を入院させて治療、リハビリをさせています。しかし、患者同盟の皆さんからは、後遺症であるこの低肺をもっときちっと法律の中で位置づけて、そうして結核病棟でも堂々と治療できるようにという厚生省に対する要求がいつでも上がっているのでありまして、県としても、せっかく持ってるノーハウを使える青森病院にこの低肺患者の治療、リハビリというものをやってもらうというそういう計画を立てれないものかどうか、まあいろんな難しい面はあろうかと思いますが、その辺の部長の見解を求めるものであります。  最後ですけれども、教育長にお伺いいたします。歳出十款一項五目「教育指導費」、聴覚障害児の手話教育についてお伺いいたします。我々は大人になるまでの年月を経まして、つまり、見ること、触れること、聞くこと、そういうことを通して私たちは知識を身につけます。そして生まれたばかりの赤ちゃんは人間としての生活が満足にできるようになるわけですけれども、残念ながらそういうことを失った子供たちがそれを覚えるということは、これは大変なことであります。本人にとっても大変苦しいことであります。まあヘレン・ケラーの例を言うまでもないですけれども、聴覚を失い視覚を失ったそういう子供たちがどうやって言葉を覚えていくか、それは教育する学校では大変苦労なさるでしょう。いろいろとお聞きしますと、例えば口の動き、筋肉の動きを見て聴覚障害児たちがその言葉を覚えていくということ、それを専門用語では口話法というんですか、間違っていたら教育長に訂正していただきたいんですが、口話法、もう一つは手話法──手話、専門家の中には二者択一的な論争もいろいろとあったようでありますが、最近は、トータルコミュニケーションという形で、持っている機能を全部使おう、そして、それは手話であれ口話であれ、指で指したり文字を書いたりいろいろさまざまなことでコミュニケーションを深めていこうというそういうことに変わっていってるやにお聞きいたしました。しかし、現実には、青森県の県立聾学校のカリキュラムの中で、八戸の聾学校だけは、一日十五分、週三回ですか、こういうふうにきちんと手話教育というものを位置づけておりますが、あとの二つの青森、弘前では、あくまでも口話のために補助的に指なりを使うというところにまだいるようであります。そして先生方を見てみますと、教員数は、例えば青森であれば四十人中二名しか手話通訳の可能者がおりません。弘前では三十四名中六名、八戸では四十名中二名であります。そこで、この手話というのは、障害福祉課ではもう障害者の社会参加の一環として予算を盛って手話の講習会をやったり通訳者を養成したりしてるわけで、実際に社会に出たときにその手話が使えないと、せっかく知事部局がやっている障害者の社会参加のための事業に結びついてこないのじゃないかと私は思うわけで、今の聾学校における手話教育の実態、それから今後の方針等をぜひとも教育長から述べていただきたいと思います。以上であります。 14 ◯議長(工藤省三君) 環境保健部長。 15 ◯環境保健部長(増田和茂君) まず一点目の安全協定の履行に関しましては、先般十二月議会で議員の御質問に対しまして「安全協定は責任と義務が生じる契約的性格を持つものであると理解している」とお答えいたしました。協定の締結に当たりましては、当事者間におきまして協議を重ね、協定の内容に合意した上で締結するものでありますから、事業者においては協定を誠実に遵守するものと認識してございます。  続きまして母子保健対策についてお答え申し上げます。まず一点目の妊娠から分娩までの妊婦健康診査の回数につきましては、医学的には、妊娠第七カ月までは四週間に一回、妊娠第八カ月から第九カ月までは二週間に一回、妊娠第十カ月以降分娩までは一週間に一回、そういう目安があると聞いてございます。これでいきますと大体約十三回ぐらいになるところでございます。なお、国の国庫補助の対象とされている妊婦健診の回数は、妊娠前期及び後期におのおの一回とされているところでございます。母子保健対策につきましては、県といたしましては従前から、妊婦及び乳幼児の健康診査、B型肝炎母子感染防止及び先天性代謝異常等の検査、保健婦によります妊産婦等の訪問指導、未熟児等に対する医療援護等の各種の施策を母性保護の立場から実施しているところでございます。また、平成三年度からは、母体保護の立場から、特に妊娠から出産までの母性の健康管理のための妊産婦健康診査を受診するようより一層指導を徹底するとともに、公費負担の対象範囲の拡大を図ることとし、さらに母と子の健康づくりのため、新たに保健衛生講座の開催、県民への普及啓発等に努めるべく、これらに要する経費を本議会において御審議いただいているところでございます。今後とも健全な母体づくりと健康な子の出生、育成のために既存の施策とあわせ母子保健対策の充実により一層努めてまいりたいと考えてございます。  三点目の妊娠届け出件数及び妊婦委託健診の受診率につきましては、平成元年度に届け出されました妊娠届け出総数は一万五千五百一件となってございます。このうち五カ月以内の早期妊娠届は一万四千七百二十六件で九五%となってございます。  四点目の妊婦委託健診の件数は……(建部議員「聞いていませんからいいです」と呼ぶ)失礼いたしました。また、今まで妊婦委託健診を全妊婦にまで導入しなかった理由につきましては、妊婦健康診査につきましては昭和四十四年に国の通知によりまして低所得階層を対象に実施することになりまして、本県におきましてもこれに基づき実施したところでございます。さらに国では昭和四十八年から対象者を全階層に拡大して実施することとなったところでございますが、本県がこの制度を直ちに導入できなかった大きな理由は、国の補助単価と実勢単価とに乖離があったためと理解してございます。このことから、今般単価差の問題がなくなったことから全妊婦を対象として一人二回までの健康診査を実施することとしたものでございます。  最後の御質問でございますが、低肺機能者に対する専門的治療・リハビリテーションにつきましては、現在、医師が認めた低肺機能患者につきましては一定の基準のもとに在宅での酸素療法に対して健康保険が適用されており、また、この制度に基づき、医師の指示のもとに看護婦等が派遣され、看護または療養上必要な指導を行っているところでございます。県といたしましては、保健所による訪問指導などについてはこれまでも、結核患者の病状管理、あるいは障害者の保健指導の一環として実施しているところでございます。また、低肺機能者に対し運動療法等を取り入れた呼吸器教室などの予算を本議会で御審議いただいているところでございます。県内において低肺機能者に対して専門的リハビリテーションを行っている医療機関は現在ないわけでございますが、議員御指摘の国立療養所青森病院の活用につきましては、今後とも県及び関係機関との連携を密にし、地域医療との関連におきまして一層重要な役割を果たすよう求めていきたいと考えてございます。以上でございます。 16 ◯議長(工藤省三君) 教育長。 17 ◯教育長(山崎五郎君) 聴覚障害児の手話教育についての御質疑でございますが、聾学校におきましての手話教育の実態と今後の教育庁の方針について述べよ、こういう御質疑でございました。聾学校における児童生徒がその障害を克服してコミュニケーション能力を身につけていくことは、日常の生活、学校の生活はもちろんでございますが、社会生活を円滑に営んでいくために欠くことのできないものであるわけでございます。そこで、聴覚障害教育につきましては、口話法、これは先ほど議員お話しのとおりでございますが、読話──唇を見てそれを読み取るということ、それから発語によって相手に意思を表示する、これが口話法でございますけども、それが主流でございましたし──手話はむしろその発達を抑えるものだというふうな考えからその口話法を主体にするという考え方がこれまで主流でございました。しかし、最近、特に新しい学習指導要領にもそのように書かれておるわけでございますが、コミュニケーション能力を伸ばす指導に当たりましては、口話法とか、あるいは手話法とかそういう単一の方法ではなくて、このほかにも補聴器、これが最近非常に発達してきてるわけでございますんで、聴能力が少しでも残ってる子供にはその補聴器を最大限に活用して肉声で聞かせようとか、あるいは筆談とか指文字とか、いろんな伝達方法を児童生徒の能力とか障害の状態に応じて適切に組み合わせて指導しているのが実情であるわけでございます。ただ、やはりこれは学校によりまして前の考えを持っている校長先生あるいは先生方もあるわけでございまして、今のところは若干揺れがあるわけでございますけども、方向としますというと、新しい学習指導要領にも書いていますように──「各種の言語メディアの適切な活用を図り、言葉による意思の相互伝達が正確かつ効率的に行われるようにすること」というふうに書かれていますんで、次第にその方に行くかと思います。そういうことで、手話法というのはその組み合わせの一つとして位置づけられておるわけでございます。今後の対応でございますが、児童生徒の実態によりましては、つまり、聴力の障害が非常に大きいそういう子供につきましては、手話を身につけることは卒業後の社会参加という意味からも大変大切なことと考えられますので、世の中がそのように変わってきているという実態を十分配慮しながら指導してまいりたいというふうに考えてございます。 18 ◯議長(工藤省三君) 建部君。 19 ◯三十七番(建部玲子君) まず要望から先に申し上げたいと思います。  青森病院の問題なんですけれども、実は、今結核罹病者・患者がどんどん減ってるという中で、国の国立病院の統廃合という問題もございまして、現場はそれぞれいろいろと模索しながら、いかにその病院を拡充していくか、強化していくか、そういうことで悩んでいるわけです。さらにまた患者の側も、結核の後遺症、あるいは再発、ただ単に法律上の定義だけでなくてそういうことをいろいろ求めてるわけでありまして、まあ環境保健部長は厚生省にいたときは、何ですか、国立病院の担当の課長補佐であったようでありますけれども、国立病院を拡充していくという立場から県としても国に対する十分なる要望なりをぜひしていっていただきたい。青森県議会も決議をしております。──統廃合はだめだという決議をしておりますので、その辺を加味していただきたいな、こう思うわけであります。  次にもう一つの要望は、妊産婦が健康な赤ちゃんを産むという問題でさまざまな施策を今述べられました。ただ、トータル的なものだと思うんです。これは当然環境保健部だけの問題ではなく、例えば働いてる婦人の健康管理なり、あるいは環境なり、青森県の乳幼児死亡率を低くしていくためには、そういうトータル的なもので考えていって、その婦人の健康管理というものについてはもっといろんな広範なところから施策をつくり上げて、積み上げていっていただきたい、ということを要望しておきたいと思います。  それでは再質問でありますけれども、環境保健部長に集中して申しわけありませんが、今の安全協定の御答弁では「事業者において誠実に遵守するものと認識している」と、これはあくまでも願望じゃないでしょうか。これは実は昨年六月十二日の科学技術委員会の議事録なんですが、この中で、福井県出身の自民党の衆議院議員でありますが、この自民党の衆議院議員が科学技術委員会の中で次のように発言してるんです。「福井県の場合は福井県に立地している原発とそして地方公共団体、福井県とが信頼関係でお互いに紳士協定、安全協定なるものを設けているんですが、どうもそれを守ってくれない現実があります。だから昭和五十年から福井県が毎年国に対して何とかそれに法的裏づけをつけていただくようにという要望を出しておるわけでありますが、一貫してはねつけられているんです」と。それに対して政府委員は、「原子炉設置者に対しましてこれが極力守られるように指導しておるところでございまして、今後ともそのように指導してまいります」こう答弁してるんです。さらに重ねてこの議員は「そのお互いの紳士協定が、例えばこれは法的裏づけがないから、余りにも守らないから昭和五十二年に安全局長の通達が出ているのでしょうが。その五十二年に通達が出てもう十何年たっているけれども、新聞でも御存じのとおり、事故の報告がおくれたり、細かいことがいっぱいあるんです」と。これは昨年の科学技術委員会の議事録であります。つまり、部長は今「これは事業者が誠実に守ってくれるものと認識している」と言いましたけれど、先ほどから何回も言うように法的に何ら裏づけがない。幾ら部長が契約的性格を持つと言っても紳士協定には間違いないんですよ。道義的な責任しかないんですね。これをどうやって守らせようというんでしょうか。これはもう一度答弁していただきたい。守らない事実があちこちの原発にあるから福井県も国に対して法的な措置を求めているんですね。それを今県の方は「守るものと認識している」と。これはちょっと、このままでは絶対守れるという保証はないんですから答弁を求めたいと思います。とりあえず、部長、答弁してください。 20 ◯議長(工藤省三君) 環境保健部長。 21 ◯環境保健部長(増田和茂君) 再度の御質問でございますが、先ほどお答えいたしましたように、県といたしましては協定を誠実に遵守するものと認識しているところでございますので御理解を賜りたいと考えてございます。 22 ◯議長(工藤省三君) 建部君。 23 ◯三十七番(建部玲子君) 今私が議事録を読み上げたのは、遵守してないからこういう問題が起きてるんですよという再質問なんですが、今の部長の答弁では答弁になってないですね。ですから、それじゃ部長、原発の事業者が遵守してない事実を認めますか認めませんか──そういう事実があることを認ますか認めませんか。 24 ◯議長(工藤省三君) 環境保健部長。 25 ◯環境保健部長(増田和茂君) 他県のそういう事実に関しては当方はまだ知ってないわけでございますが、他県の原子力施設に係る協定では、万一事業者が協定に違背した行為をした場合にはそれを公表する等の措置を定めている例もございますので、本県といたしましては、これからそれらのものを参考にいたしまして最も望ましい形の協定内容になるように努めてまいりたいと考えてございます。 26 ◯議長(工藤省三君) 建部君。 27 ◯三十七番(建部玲子君) 今の答弁ではあくまでも守ることが前提だと言うんですが、現実には守っていないから国会でこういうことの議論があるんであって、今の答弁では納得しないんですけれども……。どういうところでどういう守らない事実があるのか、もう新聞にしょっちゅう出てるんですから安全協定を担当する皆さんの方は当然知ってなきゃいけない。知らないという答弁はおかしいですよ。こういう答弁は絶対しないでください。指摘して終わります。 28 ◯議長(工藤省三君) 午さんのため暫時休憩いたします。 午前十一時四十七分休憩        ───────────────────────────────── 午後一時五分再開 29 ◯副議長(山内和夫君) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  質疑を続行いたします。四十九番木村公麿君の発言を許可いたします。──木村君。 30 ◯四十九番(木村公麿君) 日本共産党の木村公麿でございます。通告に従って質疑を行います。  歳出三款二項一目「児童福祉総務費」、児童手当についての予算が計上されていますが、第一子・第二子月額五千円、第三子以降一万円、支給年齢を現在の義務教育就学前──六歳未満ですが、から経過措置をとりながら三歳未満に大幅に引き上げようとするもので、改善どころか改悪と呼ぶべきものであります。政府や県は出生率向上・人口減少対策の目玉としていますが、こんなことで出生率が向上すると考えているならば全くおめでたい話であります。支給額を引き上げたといっても、十五年間も据え置いてきたものでありますから引き上げて当然のこと。支給年齢の引き下げで、全国では延べ児童数で三百八十五万を三百万人にカット、本県でも延べ約九千人も切り捨てられるわけであります。安心して産み育てることに逆行するものであります。従来どおり県単ででも、市町村と協力して就学前六歳まで児童手当を支給するよう対応してこそ人口減少対策、出生率向上に貢献するものです。こうした県独自の施策と姿勢を示してこそ県民からは評価されるわけであります。ちなみに、EC諸国の児童手当制度について承知していたら答えてください。調べたはずであります。総合的な子育て支援策としては、国保にも健保並みの出産給付、保育の一層の充実、出産祝い金、権利としての有給の育児休業制度の確立などをセットで行うよう提案するものでありますが、見解を問うものです。  歳出四款一項一目「公衆衛生総務費」、アトピー性皮膚炎対策であります。幼児が体じゅうをかきむしる。ゴホッ、ゴホッとせき込む。三人に一人と言われるほどで、お母さんの心配は大変であります。地域性、生活・住環境、食生活等々複雑な背景がありますが、県は無策そのものであります。多くの幼子が苦しみ、母親が困っているのに国からは何も示されていないから県は対応できないというのでは、知事が言う、県民の立場に立つとかきめ細かな施策とかは空文句にすぎないではありませんか。国では「小児アレルギー疾患の病因機序の解明に関する研究」を行い、免疫学的発生機序の新たな解明、診断方法についての開発などで成果があったと報告しています。まず早急に実態を調査把握すべきであります。県病での実態はわかりましたか、比率も含めて示してください。各保健所にまず窓口を設けること、除去食の指導や、ダニ、カビの防止、駆除など、予防、治療、啓発、相談について万全の対応をとることを求めます。  歳出四款五項三目「原子力環境対策費」、ウラン濃縮施設にかかわる安全協定についてでありますが、福岡議員の質問に対して谷川副知事は、知事の事務事項だから基本的に県議会にかけることはしない旨答弁しました。マスコミもそのように報じました。事の重大性について副知事は認識を欠いていると言わなきゃなりません。なぜなら、我が党の工藤議員の答弁とはその内容、表現、基本姿勢で重大な答弁の食い違いを示したものであります。無責任な、議会を軽視した答弁であります。改めて、統一見解を図って食い違いのない答弁をしてください。核燃サイクルは県政での重要課題であります。社会的にも政治的にもかってない県民の関心事となっていることは明白です。知事は口を開けば、県民の理解と合意を得てとか、県民の立場に立って協調をなどと言っています。なのに、安全協定案の骨子案を求めても県議会にすら提示を拒否していることは、理解と合意を得るなどと語る資格はもはやありません。六ヶ所村の議員は協定案をもとに村議会で審議してるんです。なのに県議会には提示もしない、意見も聞こうとしないこうした姿勢は、謙虚に誠実にと言う知事の言葉はその場限りのものであるということを示したものでもあります。協定案骨子の提示を求めます。第二点として、環境保健部長は保安規定について、六弗化ウラン搬入の数カ月前と聞いており、国と事業者にその進みぐあいを聴取したいと答えていました。数カ月とは漠然としています。明確に答えてください。そしてまた、保安規定、管理目標値を含めていつどのように県議会に示されるのかもお答えいただきたいと思います。安全協定の重要事項でありますから、それがわからぬでは安全協定の名に反するものです。また整合性を欠いてはいけません。マッチングできるかどうか、そしてその担保も示してほしいと思います。  歳出七款一項二目「商工業指導費」、自民党政府が推し進めている日米構造協議による大規模小売店舗法の規制緩和や改悪は中小小売業者にとって死活問題となっています。弘前ではダイエー、ダックシティーの出店表明、イトーヨーカドー、中三の拡張計画で、土手町などを初め商店街振興会、商工会議所は反対の態度を表明しています。二%の大型店で七〇%もの売り場面積を占めるわけであります。大型店の無秩序な進出は、業者のみならず消費者、住民にとって、地域社会にとってまさに重大問題であります。大型店出店による実態と影響について、弘前地域についてお示し願いたいと思います。本議場で県は、商調協の審議の結果を尊重していくと答えました。地元中小小売業者の合意と理解が重要だとも答えています。この立場を今後も貫くべきと思いますが、いかがでしょう。ダイエーについての協議の現状についての県の認識を示してほしいと思います。さらには、弘前地域での中小小売業者、商店街振興と活性化対策にこそ最重点的に力を注ぐべきであります。弘前市、弘前商工会議所、地元関係商店街振興会とも連携し、近代化資金、活性化基金等の重点的張りつけなどを行って振興策を急ぎ講ずべきでありますが、答弁を求めます。再開発、ダイエー出店によって弘前駅前は一坪三百万であります。地価が急騰しています。地域経済社会に大きな不安と影響をもたらしていることについての見解と対策を求めるものであります。  歳出十款一項四目「教職員人事費」、県教委の人事異動方針、特に県立高校校長の選考についての見解を尋ねます。端的に聞きます。人格、識見、品性に欠け、現場の教職員との人間関係が公正に保たれず、公私混同などで学校の適正な運営管理にも障害を来している校長を耳にするのでありますが、極めて残念であります。その背景には、人脈による情実人事、問題があっても知っても知らぬふり、「まあまあ、なあなあ」のなれ合いがあるという指摘もされているようであります。校長の選考基準に照らしても、放任、黙認してきたとすれば県教委の責任は重大です。県教育委員の中にもこうしたことについて指摘する方がいるほどでありますから、今後に処する教育長の決意と公正な人事を望むものであります。これは教育委員長からもお答え願いたい。障害児教育、養護学校の校長には識見、長年の経験などが生かされるよう配慮すべきでありますが、お答えください。  歳出十款一項五目「教育指導費」、進学率向上対策事業として六校を指定し、一校につき二百万、三年間助成する予算が計上されています。県教委はあれこれの理由を並べて格差は生じないと言っていますが、何と言おうと特定の高校にだけ公金を出すことは、このこと自体学校間の格差を生じさせ、一層格差を拡大するものであります。教育の機会均等に反し、公教育では許されないものであります。憲法は法のもとに平等の原則を明示しています。この点からも容認できません。私は撤回を求めます。私は、生徒が進学の希望に燃え、その願いにこたえていくことは否定するものではありません。そのためにはまず、基礎的学力の向上、考える力、生きる力、協力し合って生活できる力などを身につけるためにこそ、教職員の合意や、そして可能な限りの手だてと努力にこそ挙げて取り組むべきであると考えています。これを抜きにして、限定、特定した学校にだけ金を出せば進学率が向上するなどの発想は教育の名に値しないもの、主客転倒と言わねばなりません。学校活性化推進事業もこれと連動するもので、活性化を図るために学習セミナーや県下高校共通テストへの支援を言っています。まさにこの道は、個性化、多様化、管理主義の臨教審路線にほかなりません。今日の教育の荒廃を招いた管理と競争をさらに強め、差別と選別を深め、偏差値優先で、受験地獄に生徒を一層追い込むだけのものであります。これについても教育長、教育委員長からお答え願いたいと思います。  歳出十款一項八目「私立学校振興費」、本県における私学は専修学校を含め学校数は百七十一校に上り、学校法人、準法人は九十五を数えます。それぞれの学校の設立の趣旨と教育内容に照らして公費の助成が行われているところであります。県教委が行っている助成がその目的、対象に対して公正かつ適切に行われているかどうか行政としてチェック機能を果たさねばなりません。県教委として系統的に総合的に補助金の執行について、他部のように指導、監査、監視などが実施できない体制、機能となっていることは極めて遺憾であります。現地調査という用語で調査は行っていますが、二〇%そこそこで、実施要領すらないという実態は極めて残念であります。こうした状況のもとで、八戸のA校の場合実在しない幽霊生徒にも助成を行っていることは、学校法人の責任と同時に県教委の指導責任も重大で、問われなければなりません。私学の自主的な運営に介入すべきでありませんが、放任は問題であります。実態と、ここ三年間ぐらいの現地調査実施状況、今後の再発防止・改善策をきちっと示してください。  終わりに、歳出十款七項二目「体育振興費」、本県における公共体育施設が全国に比して立ちおくれていることは、本議場でも私が指摘し充実を求めてきたところであります。全国水準に比べていいのはスキー場ぐらい。陸上競技場、運動広場、プール、野球場などは全国水準以下。ゲートボール場は大きく立ちおくれています。社会体育振興の立場から計画的に整備を進めるべきであります。あわせて社会体育指導員の養成配置も強化すべきでありますが、これらについての御見解、対策を問うものであります。 31 ◯副議長(山内和夫君) 谷川副知事。 32 ◯副知事(谷川憲三君) 安全協定についての御質問にお答えいたします。まず、工藤議員、それから福岡議員に対する答弁に食い違いがあるという御指摘でございますが、私は食い違いはないというふうに理解しております。また、無責任な答弁であるとか議会軽視の答弁であるとかという御指摘がありましたが、極めて心外であります。まず、安全協定につきましては知事の事務の一環として考えていくということでありますが、これは福岡議員にお答えしたとおりでありまして、議会でこの安全協定についての可否を論議していただくということは考えておらないわけであります。しかし、安全協定は住民の安全の確保、環境の保全にかかわる重要なものでありまして、議員の方々に御説明をし意見を十分承りながら内容を充実させていく、というふうに考えているわけであります。その手順は、県と六ヶ所村の間で協定案の詰めを行った上で事業者に締結を求めるということになりますけれども、この三者での話し合いの段階で具体的な協定案で議員の方々に御説明をし御意見を十分承ってまいりたい、と考えているわけであります。  次に、協定の骨子案を示せということでございますけれども、六ヶ所村では施設の立地村としての検討を行うために、昨年の十二月十五日の六ヶ所村議会全員協議会に協定の骨子案を示したところであります。その後ほぼ三カ月を経過しておりまして、骨子案から一歩進んでの協定案作成に向けて現在鋭意検討しているところでありまして、県としてもさらに六ヶ所村と協議を重ねて、議員の方々には協定案の形でお示しし御意見を伺うのが適当ではないかというふうに考えております。協定案という形での具体的な案でお示しした方が議員の皆様も検討がしやすい、あるいは意見を出しやすいのではないかというふうに考えているわけであります。 33 ◯副議長(山内和夫君) 生活福祉部長。 34 ◯生活福祉部長秋田谷恒夫君) 児童手当の改正案についての御質問にお答えいたします。第一点は、今回の改正案によりまして手当が支給対象外となる児童に対する単独事業による手当の支給についてでございます。今回の児童手当制度の改正は、特に、乳児及び年少の幼児の時期は人間形成の基礎となる極めて重要な時期であり、育児に手がかかり母親の就業率が低い実態にあることなど生活上の制約が大きく、また、この時期は収入が低い時期と考えられまして児童の養育にかかわる経済的な負担も相対的に重くなっている、このようなことから、三歳未満の時期に給付を重点化いたしまして育児支援を強化することが適当であるという中央児童福祉審議会の意見具申を踏まえて行われたものでございます。今回の制度改正によりまして支給期間は変更されるものの、これまで支給対象とされていなかった第一子を支給対象としたこと、及び支給額もこれまでの倍額に引き上げられたことなどを勘案いたしますと必ずしも福祉が後退したとは言えないものと考えているところでございまして、県単独助成については考えていないところでございます。  第二点はEC諸国の児童手当制度についてでございます。EC十二カ国中主要三力国の児童手当制度、これは、一九八八年──昭和六十三年の資料によりますと以下のようになっております。旧西ドイツにおきましては、支給対象児童は第一子から、支給期間は十六歳未満まで、学生の場合は二十三(後刻二十七に訂正)歳未満まで延長されることになっております。支給月額は、第一子約四千三百円、第二子約一万一千百円、第三子約一万八千七百円、第四子以降約二万五百円、このようになっております。イギリスにおきましては、支給対象児童は第一子から、支給期間は十六歳未満まで、学生の場合は十九歳未満まで延長する、このようになっております。支給月額は第一子以降約七千九百円となっております。フランスにおきましては、支給対象児童は第二子から、支給期間は十六歳未満まで、学生の場合は二十歳未満まで延長する、このような内容になっておりまして、支給月額は、第二子約一万四千七百円、第三子以降約一万八千九百円となっております。今回の児童手当制度の改正内容がヨーロッパ諸国の児童手当制度に比較して水準が低いとする一部の意見に対しまして、厚生省は、ヨーロッパ各国とは賃金体系などの面におきましての違いもあり、児童手当制度は全体の政策体系の中で考えていく必要がある、このように説明しているところでございます。  第四点は、子育ての支援対策として、保育サービスの一層の充実、育児休業制度の確立、国民健康保険における出産給付金の引き上げなど総合的な施策の展開についてでございます。近年、出生率の低下や女性の社会進出の増大など児童や家庭を取り巻く環境は大きく変化してきております。このため国におきましては、平成二年八月、内閣に「健やかに子供を生み育てる環境づくりに関する関係省庁連絡会議」を設置し、また厚生省内に「子どもが健やかに生まれ育つための環境づくり推進会議」を設置いたしまして、出生率低下の要因及び影響について分析するとともに、子供が健やかに生まれ育つための環境づくりについて総合的な検討を行っているところでございます。国は、これまでの審議の経過を踏まえまして児童手当制度の改正及び保育対策として新たに、夜間に及ぶ保育ニーズに対応した長時間保育や、企業が社会福祉法人への委託を通じて行う深夜・休日保育などの事業を平成三年度厚生省予算案に計上したところでございます。また、育児休業制度につきましては今国会にその法案を提出する方針であると聞いております。なお、国保の助産費支給額の引き上げにつきましては、国に対しまして国庫補助基本額を引き上げるようこれまでも要望してきてるところでございまして、今後も引き続き要望してまいりたい、このように考えております。県としては、このような出産、育児にかかわる支援対策が総合的に充実強化されていくことは大変結構なことだと考えておりまして、今後の国の動向等を慎重に見守ってまいりたい、このように考えております。 35 ◯副議長(山内和夫君) 環境保健部長。 36 ◯環境保健部長(増田和茂君) まず、第一点目の保安規定についての御質問にお答え申し上げます。保安規定と安全協定との時期の整合性についての御質問でございましたが、事業者を含めた三者協議の過程におきまして整合性に十分配慮しつつ今後検討を進めるものであり、保安規定の作成状況を見定めつつ今後の取り運びに当たりたいと考えてございます。第二点目の御質問は、保安規定の認可後に、保安規定で定める管理目標値の値を確認した上で安全協定で定める管理目標値を定め両者を整合性のあるものとすべきであり、したがって保安規定の認可前に安全協定を締結すべきではない、との趣旨と受け取ったわけでございますが、放射性物質の放出管理につきましての基本的考え方といたしましては、まず、国が定める基準を下回ることが必要であると考えてございます。この基準は、施設の周辺監視区域外の線量当量限度、これは一年間につき一ミリシーベルトでございますが、この基準を下回ることが必要であるというものでございます。安全協定における管理目標値を定めるに当たりましては、この前提を踏まえ、さらに保安規定で定められる管理目標値をも把握した上で、技術的に可能な限り厳しい放出管理の目標値を設定し、これに基づいて操業を行うよう事業者に対し求める所存でございます。  二点目のアトピー性皮膚炎に関する御質問につきましては、アトピー性皮膚炎の原因につきましてはまだ完全に究明されていない状況にあるわけでございますが、卵、牛乳、大豆等の食品摂取や、家の中のダニ、カビ類などによって起こると言われているわけでございますが、現在のところその診断基準や治療法が確定されていないために、県内におきますアトピー性皮膚炎の患者の実態については調査がなされてない現状でございます。しかし、県立中央病院でのこの十年間の患者数は約千二百人となってございます。現在、症状が出たような場合は、時によりますと自己診断によって自分で食事制限等を行って、これによって逆に問題が起こるという例も見られるということもございますので、専門医の診断を受けてその指示を守っていくことが大変重要なことだと考えてございます。このため県といたしましては、各保健所の乳幼児健診などにおきまして、個々の症状に合わせて受診するよう指導したり、また日常生活の指導を保護者等に行っているところでございます。いずれにいたしましても、現在厚生省におきまして原因究明及び治療法、診断基準などについて研究が進められておりますので、その研究の結果を踏まえ、指導内容、相談体制の確立、さらには正しい知識の普及に努めてまいりたいと考えてございます。以上でございます。 37 ◯副議長(山内和夫君) 商工労働部長。 38 ◯商工労働部長(清木 直君) 大店法関連並びに地元中小商業振興策についてお答えいたします。まず第一点は、弘前地域の大型店出店に対する地元中小商業者の認識についてであります。県では、十年先の本県商業のあるべき姿を展望し、中小商業者の事業活動や施策展開の方向を示す青森県商業振興指針を平成二年度と三年度の二カ年で策定することとしておりますが、この指針策定の検討資料とするため、昨年九月に県内小売業に対する実態調査を実施しております。この調査は、県内約二万二千店の小売店のうち特に大型店の出店が予定されている弘前市、八戸市、五所川原市を中心とする各商圏の小売店九百四十八店に対し、青森県商工会議所連合会、青森県商工会連合会の協力を得て実施したものであります。このうち弘前商圏に係る調査につきましては、弘前市を含む二市六町五村の小売店三百九十八店に対し、当該市町村の商工会議所、商工会の経営指導員による聞き取り調査の方法で実施したものであります。その結果によりますと、まず大型店の進出については、「大いに賛成である」四・八%、「条件によっては賛成である」一一・五%、「進出はやむを得ない」四二・五%、「絶対に阻止すべきだ」三〇・五%、「気にしない」一〇・七%となっております。次に大型店進出の影響の度合いにつきましては、「影響が大きい」五八%、「影響はやや大きい」二〇・九%・「影響は小さい」一四・八%、「影響はない」六・三%となっております。また大型店進出に対する対応策につきましては、「現状維持」一八・三%、「品ぞろえの充実や変更」一七・五%、「専門店化」一三・九%、「店舗の改装」九・三%、「営業時間の延長」六・一%などとなっております。県としましては今後とも、商工会議所、商工会等と連携をとりながら、必要に応じ中小商業者の実態の把握に努めてまいりたいと考えております。  第二点は、大型店の出店調整に係る県の基本的な考え方についてであります。大規模小売店舗の出店調整に当たりましては、地元商工会議所等に設置されている商業活動調整協議会、いわゆる商調協の場で、商業者、消費者、学識経験者の代表が委員となりそれぞれの立場から調査審議を行っているものであります。県としましては、商調協の調査審議が、法の趣旨にのっとり、地元中小商業者の意見が十分反映され、かつ消費者の利益の保護にも配慮した公正な調整がなされるよう、商調協の場に特別委員として参画し、運営等について指導助言をしてきたところであります。したがいまして県としましては、商調協で得られた結論は十分尊重されるべきものと考えております。  第三点は、弘前駅前再開発ビルのダイエーの出店に係る商調協での調整作業の状況についてであります。株式会社ダイエーを核店舗とする弘前駅前地区再開発ビルにつきましては、建物設置者である弘前駅前地区市街地再開発組合から去る平成二年十月十六日に大店法第三条に基づく建物設置者の届け出が県を経由して国に提出されております。国においてはこれを受けて平成二年十一月二日に、商調協において検討に着手するよう弘前商工会議所に対し指示をしたところであります。弘前商工会議所からの諮問を受けた弘前商業活動調整協議会では、去る平成二年十一月二十八日に第一回目の商調協を開催し、これまで延べ五回にわたる審議を行ってきております。同案件につきましては平成三年四月の答申を目途に今後精力的に審議を行っていく、と報告を受けております。  最後、第四点の、弘前地域における中小商業商店街の振興策、及び、弘前市、弘前商工会議所との連携の強化についてであります。弘前市においては従前から、第一種大規模小売店舗の集積が進んでいるのに加え、現在大店法第三条に基づき第一種大規模小売店舗の新規出店三件、増床二件の届け出がなされていることから、大型店の進出による中小商業商店街への影響を考慮し、県としては、平成二年度においては、昨年十月に中小企業事業団の協力を得て、弘前市及び近隣市町村の商店街及び中小商業者を対象として「第三セクターによる魅力ある街づくり」というテーマで高度化事業推進説明会を開催するとともに、弘前市内の二商店街に対し中小商業活性化事業による支援を行ってきたところであります。平成三年度においては、一、個別店舗の情報化、販売計画、仕入れ業務等について専門家の協力を得て重点的かつ継続的に指導を行う地域小売商業活性化指導事業の実施に要する経費を弘前商工会議所に助成する、二、財団法人青森県中小企業振興公社で実施している中小商業活性化事業の支援を弘前地区など第一種大規模小売店舗の進出が予定されている地区に対し重点的に配分する、三、弘前市の中心商店街からアーケード、カラー舗装等の環境整備を実施したい旨の要望があることから、中小企業事業団の協力を得て高度化事業事前研究会を開催する、などを実施する予定としております。議員から御指摘がありましたとおり、中小商業者の経営安定並びに商店街の活性化を図るためには、地元市町村、商工会議所、商工会等と密接な連携を図ることが肝要でありますことから、県としましてはこれまでもそうした点に留意しつつ施策を展開してきたところでありますが、今後、弘前地域から商業環境を整備するための具体的な要望があれば、弘前市、弘前商工会議所との連携を図りながら積極的に検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 39 ◯副議長(山内和夫君) 生活福祉部長。 40 ◯生活福祉部長秋田谷恒夫君) 先ほど、旧西ドイツの児童手当の支給期間につきまして学生の場合は二十三歳未満まで延長と申し上げましたが、学生の場合は二十七歳未満までが正しい答えでございます。訂正さしていただきます。失礼いたしました。 41 ◯副議長(山内和夫君) 教育委員長。 42 ◯教育委員長(田中虎之助君) 御質問にお答えいたします。  県立学校の校長は、学校の管理運営を円滑、適正に行い、もって教育の充実向上を図るという、いわば学校運営の責任者であります。その点に十分留意いたしまして校長の登用に当たりましては、その性格、能力、特性並びに経験等を総合的に判断し、管理職としてふさわしい人物を選考するよう努めているところであります。今後とも、本県教育の充実向上を期して管理職の選考を厳正に行うとともに、校長に対する指導についても一層努力してまいりたいと思います。  また、大学進学率の向上対策事業については事務局より十分に報告を受けておりますが、本県において現在必要な事業と思っております。 43 ◯副議長(山内和夫君) 教育長。 44 ◯教育長(山崎五郎君) 教育問題について数点の質疑がございます。お答えしたいと思います。  まず第一点は教職員人事費につきまして、県立学校長の選考につきまして、先ほど委員長の方から基本的な態度についての答弁がございましたが、私からは、特殊教育諸学校の校長については、その専門性あるいは経験豊富な者を採用すべきではないか、ということに対する答弁をいたしたいと存じます。特殊教育諸学校は、議員お話しのとおり、その教育において非常に難しい面もございますということで、第一義的には、専門性、あるいは特殊教育に携わった経験のある校長がやはり望ましいわけではございます。しかし、校長というのはそれ以上に、人格、識見、あるいは幅広い視野、さらに統率力、企画力等々要求されるものがたくさんあるわけでございまして、そういうことで、教頭との組み合わせを十分考慮しながら普通教育の校長を採用している場合もあるわけでございます。  第二点は、教育指導費にかかわりまして、大学進学率向上対策事業に特定の高等学校だけを助成するということは学校間の格差を助長するものではないかという強い御質疑でございました。基本的には、これも委員長が答弁いたしましたように、本県としましては今まさにやらなければならない事業であるという観点から今議会に提案申し上げているところでございますが、先般大学進学率向上対策につきまして県の高等学校教育振興会議から報告が出されました。議員既に御存じのことと思いますけれども、本県の進学率の低い原因といたしましては、生徒の学力とか進学意欲、あるいは生徒、保護者の進学に関する意識、これが非常に大きくかかわっている、そしてまたそのほかに大学への進学環境──大学の数が少ないとか、あるいは関連制度──育英奨学制度、そういったものがあると指摘しておりまして、いろいろな数多くの貴重な提言が出されたわけでございます。その振興会議が調査しました中身にこういう報告がございまして、本県の高校生を持つ親の五六・六%が子供の進学を願っている、また、本県高校生の四三・九%が在学中一回は大学に行きたいと志望している、しかし三年生の十二月には三一・一%に下がり、そして実際に大学に進学した者はその半分の二〇・三%である、こういうふうな調査結果が出ているわけでございます。この報告を受けました県教育委員会といたしましては、この大学進学率向上の当面の対策として、現にこのように大学進学を希望している生徒がいる以上、その学力の向上を図り希望を達成させる施策を講ずることが喫緊の課題であるということで、この大学進学率向上対策事業を興すこととしたわけでございます。その趣旨からこの事業は、地域や学校の実態に即して、生徒の学力向上や進学意欲の高揚、あるいは保護者の意識の啓発などの事業に取り組むことを希望する学校の中から、平成三年度は均等に六地区から各一校をテストケースとして選びましてこれに必要な経費を措置するというものでございます。このことによりましてこれらの学校での大学進学指導がより充実することは議員お話しのどおりでございますけれども、この指定校を中心に付近の他の高校との連携を図った事業も考えられるわけでございまして、地域の学校にもその効果が波及しまして、特定校だけでなくて県全体としての大学進学率の向上が期待されるものと思っておるわけでございます。  次の御質疑ですが、私立学校振興費にかかわりまして、私立学校の調査指導についてその現状、状況と改善策を述べよ、こういうことでございました。本県におきましては、私学助成の大きな柱となっております経常費を初め、高校の授業料軽減補助とか施設設備費の補助など各種の補助金を学校法人等に交付いたしまして私立学校の振興を図ってきているところでございます。この補助金の交付に当たりましては、議員が御心配のとおり、適正に行われなければいけないということで、学校法人から事業計画の提出を求めまして、補助金の算定基礎となる数値について関係書類・帳簿と突き合わせながら厳正な審査を経て交付しているわけでございます。ところで、議員の御質疑の現地調査の実施状況でございますが、調査実施要綱という具体的なものはございませんが、毎年度、調査対象、調査内容、調査方法、日程などの調査実施計画をつくりまして、職員六人により補助事業にかかわる現地調査を行ってございます。過去三年間の実施率を述べよということでございますが、六十三年度は七法人、率にしますというと七・七%、学校数が七校で率にして四・六%と非常に少なかったんでございますが、その次の平成元年度は十三法人、同じく一四・三%でございます。学校数で二十一校、一三・九%、そして、平成二年度は十八法人、一九・八%、学校数にして三十一校でやっと二〇・三%というところまでまいりました。着実に実施率を伸ばしたと言えばまことにおこがましいわけではございますが、そういうふうな努力は続けておるわけでございます。しかし、今後は議員御指摘の点を十分踏まえながら、日常の事務の見直しとか、あるいは調査の実施方法の工夫、改善を図るなどいたしまして、調査対象を拡大したり調査指導内容を深めるなど調査指導体制の充実に努めてまいりたいというふうに考えてございます。  最後の御質疑は、体育振興費につきまして、本県の社会体育施設の整備と、あわせて社会体育指導員──人の配置についての計画を述べよ、という御質疑でございます。青森県におきます公共社会体育施設の数でございますが、五年前の昭和六十年には市町村、県合わせまして五百五十八カ所でございました。これが本年の平成二年には六百七十五カ所となってございまして、年々増加してきているところではございます。今後の計画につきましては、県域の体育施設といたしましては、県の総合運動公園につきましては土木部が主体となって、県教育委員会とも連携を図りながら拡充整備を進めることとしております。また市町村の体育施設につきましては、地域の実情に即した計画的な整備を図るように指導助言をいたしますとともに、国の社会体育施設整備費補助金を確保できるように努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。また、公共社会体育施設の指導者の配置でございますが、県としてもこれには努力しているところでございますが、市町村の体育施設につきましては、これはやはりそれぞれ市町村の実情がございますので、県といたしましては指導者養成事業という面で、例えば体育指導員の研修会とか、あるいは生涯スポーツ指導者の講習会とかというふうな形で、力といいますか、質的な面の充実を図るということとともに、やはりそういう専門員の配置について指導しているところでございまして、今後ともそのように進めてまいりたいと思っております。以上でございます。 45 ◯副議長(山内和夫君) 木村君。 46 ◯四十九番(木村公麿君) 教育長さん、私は何も進学率の向上がいけないと言ってるんではないんであります。それ以前に、何にも増して教育や研究・研修機関の拡充整備、あるいは育英奨学金制度の一層の充実改善、校舎などの教育環境を整備する、少なくとも四十人以下の学級にして行き届いた教育、何にも増して教職員の定数をふやす、労働条件、教育条件も改善する、そうしたことが先になされるべきだということであります。この点は強く要望しておきたいと思います。  人事については公正に行うよう重ねて教育委員長と教育長に強く求めておきたいと思います。曲学阿世の徒をつくるなかれ、と言っておきます。  八戸のA校の場合は、私の事実をお認めになって、その上に立っての体制の整備なり再発防止ということだと思いますので、そのように理解してよろしいかどうか、よければ答弁は要りません。  生活福祉部長さん、あんたは、児童手当は後退ではないと。経済大国日本と言っていますけれども、先進諸国と比べて見た場合に、児童手当では何と後進国でしょう。まあ、調べてみてよくわかったと思いますから、改正などと言えないことも明らかですし、児童手当だけでなくて総合的な児童の健全育成のための施策を一層強めるように、これは要望しておきたいと思います。  環境保健部長さん、まあ作文を読むのも結構ですが、自分の頭で考えて、青森県民の健康と命を自分はこうしたいんだというぐらい、もうすこしファイトのある積極的、具体的な答弁をしたらどうですか。多くの赤ちゃんや幼児たちが毎日毎日苦しんでるんですよ。言葉に言えないんですよ。これは私ども津軽保健生協の健生病院ですが、アトピー性皮膚炎については暦をつくってお母さんや患者さんたちに配っています。民間でさえこういう啓発、教育相談をやってるんですよ。さっきの答弁では、保健所に窓口も置くのかどうかわからぬ、相談の窓口もなかったらお母さんたちはどこサ行けばいいんですか。せめて、「実態は調査します、窓口は保健所に置きます」このぐらい言ったらどうなんですか。これはもう一回答えてください。  それから、さっき明確に地価急騰についての答弁はなかったんで、答弁漏れという指摘をしておきたいんですけれども、昭和六十三年五月、株式会社ダイエーと再開発準備組合とが交わした協定書では、その五条で、保留床の上限売買価格は五十三億円とされていますが、県は適正な価格だと認識してるんでしょうか。その後の工事費の増、物価上昇などの要因はどうなっていますか。これによって保留床の売買価格に変動は生じていないのかどうか、お考えを示してください。さらに協定書第十六条の「権利、義務の譲渡」について、「ダイエーは引き渡しを受けるまでに一切の権利、義務をダイエーが指定する業者に譲渡する場合組合と協議する」とされており、代金完納時にダイエーに保留床を引き渡す、こうなっています。つまり、ダイエーが五十三億円の金を払って保留床を手に入れ、権利変換計画以前でもダイエーの指定する者に譲渡できるということになるわけであります。法は、保留床価格は知事が承認する権利変換計画が確定してからでなければ定められないことになっていますが、どうなんですか。これに反すると思いますが、見解を示してください。しかも、ダイエーは一銭も出さない、第一生命が出すということになっています。金をもてあましている生保業者ですから、まあ安い土地代、保留床でしょう。再開発ビルの名はあっても実権は第一生命ビルなんじゃないですか。こういう不安を指摘しています。抱いています。だれのための再開発か問われるものです。民活、再開発というのは、中央資本と大手業者にぼろもうけと甘い汁を提供するようなことになってはいかぬのであります。真に地域経済の発展と地元中小業者の振興、活力ある町づくり、弘前の町に役立つ再開発事業にしなきゃなりません。県として強力な指導を組合と市に行うべきであります。  谷川副知事さん、心外だと言っていますが、その言葉をそっくりお返ししますよ。あなたの辞書には「煮詰める」「煮詰まる」という用語についてはどう書いてあるか答えてください。私の持っている新国語辞典では、「煮えて水がなくなる。議論や研究を進めて結論を出すこと」とあります。水がなくなってからでは煮ても焼いても食えないのは当たり前じゃないですか。十分県議会にも説明し、協議すると言うけれども、何が十分な協議になりますか。まさに詭弁以外の何物でもありません。工藤議員には、五月ころの三者協議の段階で県議会に説明し、意見を十分聞いて充実さしていきたい、と答えているのです。福岡議員には、ウラン濃縮にかかわる安全協定についても知事の事務の一環として考えてそのように進めるのが適当と考える、これはいわゆる事務事項だと。その後、工藤議員のと同じように聞こえたかもしれませんけれども、これからが問題であります。「県議会の議員の皆さんの意見も十分に伺っていく必要があると考えております。今後協定の中身がより煮詰まった段階」と。「煮詰まった」というのはもう終わった段階ですよ、結論が。煮ても焼いても食えない段階ですよ。そんなものを県議会にかけてどうするんですか。だめです。ぴちっと答えてください。  それから、安全協定に法的拘束力、法的な規制がないということは建部議員からもあったところです。そこでちょっとお伺いしますけれども、県も安全協定締結の当事者であります。行政法学上では行政庁の確約に当たり、みずからが将来行うであろう行為について自己拘束するものであるという認識をしてよろしいですか。したがって、当事者である県はこの協定で自己を拘束することになります。また、当事者の一人である事業者の方が協定に反すれば信義則、公序良俗に反することは明確で、この場合県は公的手段を含めて対抗措置をとるものと解してよろしいかどうか、ぴちっとお答え願いたいと思います。 47 ◯副議長(山内和夫君) 谷川副知事。 48 ◯副知事(谷川憲三君) お答えいたします。福岡議員と工藤議員の御質問が一字一句おんなじ質問であったとは私は思っておりませんで、答えもおのずから違った表現になったかもしれません。ただし言っている趣旨は全く同じでありまして、「煮詰まった」というのは、六ヶ所村と県との間で協定案を協議して案としてでき上がった段階で、そしてそれからその内容について事業者と締結について協議していくわけですが、その段階で県議会の議員の方々にも御説明し御意見を伺っていく、こういうことでございます。 49 ◯副議長(山内和夫君) 環境保健部長。 50 ◯環境保健部長(増田和茂君) まずアトピー性皮膚炎の実態調査につきましては、先ほど御答弁申し上げたとおりまだ診断基準が確定していない段階でございますが、どのような方法で実態調査ができるのかという研究は進めてまいりたいと思っております。また、各保健所に対しまして、そういう患者さんからの相談があれば受診指導等を行えるように今後とも指導してまいりたいと思ってございます。  二点目の安全協定についての考え方でございますが、建部議員にお答えしたとおり、契約的性格を有するものであるというふうに県は認識してございます。事業者に義務違反があった場合には、例えばそのことを公表し社会的制裁を与える等の措置を講ずることもできるわけでございますし、また、事業者の義務違反によりまして県だとか地元市町村に具体的な損害が生じた場合には当然損害賠償を求めることができるものと理解してございます。以上でございます。 51 ◯副議長(山内和夫君) 土木部長。 52 ◯土木部長(池田達哉君) 答弁漏れがありまして大変失礼申し上げましたが、弘前駅前の地価が坪三百万程度になっているが、そういう地価対策としてと申しますか、それが再開発ビルにどういう影響があるかということが質問だと理解しておりますが、弘前市駅前地区市街地再開発事業というのは、いわゆる事業主体となる組合が設立されてるわけでございますけども、施設の建築物の規模等の詳細については現在関係団体、商調協などと調整中であると聞いてるわけでございます。御質問の中の保留床処分価格というのは、地区内の土地の価格、それから施設の建築工事費などにより組合が決定することとなるものでございます。このようなことから周辺の土地価格の高騰というものは保留床処分価格に関連があるわけでございますが、地区内の土地の価格、保留床処分価格のいずれも、事業の採算性などを勘案して最終的には組合が決定することであるわけでございますが、今後その推移を見守っていきたいと思います。さらに、再質問の中で、保留床の譲渡価格については最終的には組合が作成する権利変換計画の中で組合員同士が協議の上で定めることになるわけでございますが、昭和六十三年三月の保留床等譲渡に関する基本協定締結後、建築工事費、地価等に変動があります。このようなことから、基本協定の中にも書かれてるわけでございますが、極端な経済環境等の変動などがあった場合には双方誠意を持って協議することになってるところでございます。また、一方売り場面積とか営業時間等については目下商調協の場で審議中であると聞いてるわけでございますが、今後その推移を十分見守りながら、組合から権利変換計画が提出された場合、再開発法の定めるところによりまして関係権利者間の利害の公平が十分考慮されているかどうかなどを見きわめ、適切に対応してまいりたいと考えております。以上でございます。 53 ◯副議長(山内和夫君) 木村君。 54 ◯四十九番(木村公麿君) 環境保健部長さん、私が再質問で聞いたことに一言も答えていませんね。法的拘束力はない、法的な規制によるものではないと。とすれば行政法学上行政庁の確約と言われてるものだと理解してもよろしいんですか、こう聞いています。とすれば、県はみずからが将来行うであろう行為について自己を拘束するということに行政庁の確約はなるんですが、それもどうなんですかと。また、一方の当事者である事業者の場合、その安全協定に反すれば信義則、公序良俗に反したことになり、この場合県としても公的手段を含めて対抗措置をとると解してよろしいかと。一言も答えてないじゃないですか。そんなのを議会軽視というんですよ。だから、作文でなくて、自分の頭で考えてきちんと答えなさいとさっき言ったばかりじゃないですか。  再開発については法のもとで適正に、厳格にぴちっと指導してください。そして、弘前のいい環境や、あるいは地元中小業者がダイエーだとかの大手資本のえじきにならないようにぴちっと監視をしていただきたいということを強く要望しておきます。環境保健部長、答えて。 55 ◯副議長(山内和夫君) 環境保健部長。 56 ◯環境保健部長(増田和茂君) 先ほどお答えしましたように、契約的性格でございますので、当事者にはそれなりの義務が生じるものと考えてございます。以上でございます。 57 ◯副議長(山内和夫君) 木村君、要望にとどめてください。 58 ◯四十九番(木村公麿君) だめだ。だれが聞いたって答弁になってないじゃないですか。私がきちっと質問して、これこれはどうなんですかと県の考え方、見解を聞いてるでしょう。一言半言も答えてないじゃないですか。これは担当副知事が明確に答えてくださいよ。 59 ◯副議長(山内和夫君) 谷川副知事。 60 ◯副知事(谷川憲三君) お答えいたします。安全協定の当事者として県が協定を締結するわけでありますから、その協定の内容について県は責任を持って、まあ、県が行う──履行すべきことがあれば当然履行する責任を負うと思います。  それから、契約的性格を有するんで、何か問題が生じたときには信義則等に従って公的な措置をとるのかという御質問については、そういう具体的な事態が起こらないと何とも言えませんけれども、基本的には、先生のおっしゃるように、協定を結んだということの趣旨に沿って信義則に基づいて協定を守る必要があるわけでありますから、そういう措置をとるということもあり得ると思います。しかし、事業者はその協定を誠実に遵守していくという──県は遵守させるという立場でありますので、そういう事態がないことを願っているわけであります。 61 ◯副議長(山内和夫君) 簡明に願います。木村君。 62 ◯四十九番(木村公麿君) 「遵守していただくよう望む」とありますけれども、関電の美浜原発二号機の場合なんかは、遵守してないし、遵守する気もないといったぐらいですよ。そんな相手に対して……。だから行政庁の確約に当たるんですかと聞いてるんです。これにも答えない。事業者が反した場合に、それは信義則、公序良俗に反してるから県は公的な対抗措置をとるんですかと聞いても答えない。ですから、安全協定を結んでもそれは安全の名に値しないということを指摘しておきます。同時に、六ヶ所村の村議会で安全協定が審議されてるんですよ。県議会にはかけない。こんな県の姿勢にも強く抗議して終わります。 63 ◯副議長(山内和夫君) 四十八番浅利稔君の発言を許可いたします。──浅利君。 64 ◯四十八番(浅利 稔君) 平成三年度の当初予算をずっと拝見させていただきました。新規事業が四百六十幾つで、いろいろ積極的に取り組まれた姿勢に対しましては評価を加えるものであります。いろいろな新規事業の中には特徴的なものも数多くありますので、これらの執行に当たっては十分実効が上がるように要望をいたしておきたいと思います。  二款二項二目「開発推進費」。電源立地特別対策事業費の補助などを含めまして原子燃料サイクル施設のPA対策等の事業費が盛られております。また、今の木村議員のお話にもございましたが、安全協定の締結についても、六ヶ所村でも四分の三ですかの同意が得られれば村長さんも締結に動くようなことがきょうの記事に掲載されておりました。その中で、だんだん進んできますといわゆる風評被害の処理の問題が出てくるのではないかということを考えながら質問したいと思うわけであります。一昨年締結しました風評被害処理要綱の中では、認定の基準として、サイクル施設の保守運営等に起因して発生した農林水産物等の価格低下による損失、営業上の損失等については被害の補償をする、無限補償、こうなってるわけであります。二番目に、その他公平の原則を著しく害するものでないことと規定されてるわけでありますが、この核燃サイクル施設立地についての反対の大きな理由として、特に農業者でございますが、その一つにいわゆる不買運動というのがございます。このことについてはこの二つの要項を見る限り出てきていないのではないかと思うわけでありますが、この不買運動によって出た被害といいますか、これに対する補償というものはどのようになっていくのかお示しいただきたい。
     それから高レベル放射性廃棄物の最終処分についてでありますが、このことにつきましては国の責任において地下数百メートル以上の地点に地層処分をするということでありますが、今までの県の説明並びに事業者の説明等を伺っておりまして、地上でも一時貯蔵ができるということからするならば、地下処分ということに対する理由づけというものはどういうぐあいになってるのか、なぜそうでなければならないのか、この点についての見解はどうなのか伺っておきたいと思います。  次に、最終処分につきましては、何回もの県の答弁では国が責任を負うことになっているわけでありますが、原子力白書を見ましても、また原子力委員会の出した書類を見ましても、国が実施主体を決めて、その実施主体によって設置または選定も行われるということになっているわけでありますが、このことについてどんな進捗状況でいるのかを県として国に対して求めているのか、作業の進捗状況はどういうぐあいになっているのか、聞いたことがあればお答えをいただきたいし、やってるのであれば現在の進捗状況を聞いておきたいと思います。  次に、企業導入の計画──六ヶ所地域に対する企業導入の予定というものが一般質問でもまた議論されておりました。昨日はまた細井議員からもお話がございました。電事連関係でたくさんあるようでございますけれども、未定、予定のものも含めて六ヶ所地域には数社というぐあいに今のところ聞いてるわけでありますが、今後、このむつ小川原第二次基本計画並びに「付」を含めて、何といいますか、土地利用計画について、企業の立地地点の面積等を含めて第二次基本計画との整合性についてはどういうぐあいになっていくのか、その影響が明らかにできるのであればお示しいただきたい。  次に二款三項二目「企画調査費」であります。人口減については今回もまたいろいろ議論になりましたが、その施策として、人口定住促進対策調査費一千四百万、これは人口定住促進行動計画策定費と、それから人口定住促進調査費で、本県の人口動態の現状を分析し将来の予測をするということで調査費が計上されているわけでありますが、人口減についての原因というものは、それぞれに調査をし──調査といいますか、現在までにわかっている部分がたくさんあろうかと思います。そういう面をとらえてこの調査は具体的にどの点を強調しながらやっていこうとしているのか、また期間をどのぐらいに設定していこうとしているのか、五年ごとに来る国勢調査──国勢調査はもう何回もやってるわけでありますが、その中で、この点をはっきり強調し、これを解決していかなければならないという具体性を持たなければならないと思うわけでありますが、その点どんなお考えなのかお示しいただきたい。  八款四項一目「港湾管理費」であります。港湾事業の実施に当たりまして、港湾機能、経済性、そして技術的な問題の検討を含め、それに要する経費が計上されております。青森港の人工用地構想推進調査費、また野辺地のマリンタウン、七里長浜港、八戸港の鮫地区の事業化調査費等新規事業も含めてこれは計上されているわけであります。国及び関係市町村との共同調査をこれから行っていくことになっているわけでありますが、青森港の場合、いわゆるウオーターフロント構想も含めて本港地区の地先の開発調査が行われるようになっております。しかし、これは相当長期にわたるものであると私も認識しているわけでありますが、せんだっても二月の十六日に相当な暴風雨が来まして、本港地区には高波によってまた水が上がっております。青森の中心部──これからベイブリッジが通りますとちょうど道路の着地点に水が浸水する。今工事をやっておられるようであります。しかし、肝心なところが切れておるために水が上がってくる。今またそのかさ上げ工事をしようとしているようでありますが、緊急対策と前面の防波堤などの恒久対策についてこれからどのように進められていこうとしてるのかお示しいただきたいと思います。八款五項四目「公園事業費」であります。五億五千六百万円。老朽化して狭くなった県総合運動公園の拡張整備に当たることになっております。拡張の面積は三十・九ヘクタールで主な施設等を整備していくようでありますが、新聞報道等では、総工費三百三十億円でしたか、期間も二十年ぐらいかかるということでありますが、全体整備計画、並びに、本年度はどのような方向でやっていくのか整備のスケジュールをお示しいただきたいと思います。  八款七項二目「住宅建設費」であります。県営住宅建設の費用が計上されております。建設については青森市の戸山が二十四戸、建てかえは弘前市、五所川原、むつ、住戸改善として、弘前の小沢地区、小柳のいわゆる給排水設備の改善が今回提案されております。そこで、老朽化した住宅の建てかえの計画並びに建設の計画がどのようになってるのかお示しいただきたいと思います。  教育指導費についてでありますが、木村議員のところでも大学進学率向上の対策として今答弁をいただきました。平均して各所に六校指定する、期間も三年ということなんでありますが、それを指定してやることによって波及効果が出てくると言うわけでございますが、今の答弁を伺っておって、お金も何にも出さないで波及効果がどうして出るのかなとちょっと疑問に思うわけでありますが、この点についてはこれから期間を決めてやろうとおっしゃるわけでありますから、効果の出るように頑張っていただきたい。やる前でありますからそれ以上御答弁は出てこないんじゃないかと思いますので、これは要望しておきます。  そのほか学校の活性化推進事業というのに六百万円計上されておりますが、この事業におきましても高校五校、特殊教育学校一校の六校に対しても三年間の指定補助をしてやっていこうというわけでありますが、この目的と内容についてお示しいただきたい。以上。 65 ◯副議長(山内和夫君) 山内副知事。 66 ◯副知事(山内善郎君) 不買運動による被害についてお答えをいたします。風評による被害として認定される基準は、先ほど議員が申されたように、一つとしては、サイクル施設の保守運営等に起因して発生した農林水産物等の価格低下による損失、営業上の損失、その他の経済的損失であること、二つといたしまして、その他公平の原則を著しく害するものでないこととなっており、このことから判断いたしますというと、基本的には不買運動そのものだけでは直ちにこの対象にならないのではないかと考えております。しかしながら、不買運動がきっかけとなりまして、うわさがうわさを呼んでいわゆる風評だと考えられる実際の被害が生じた場合は、申し立てによって風評被害として必要な措置を講ずることになるものと考えております。具体的には、風評被害認定委員会におきまして、認定基準をベースに個々具体的ケースに照応して判断されることになるものと考えております。 67 ◯副議長(山内和夫君) 企画部長。 68 ◯企画部長(佐々木 透君) 人口問題についてお答えをいたします。人口定住促進対策調査の進め方等につきましては人口定住促進対策会議の中で今後議論されていくこととなるので、御質問のあった人口定住促進対策の柱については、どういう形でまとまるか現在のところ明確に申し上げる段階にないことは御理解いただきたいわけですが、ただ、他県で行われている対策事業の事例を見ますと、例えば山口県では、定住意識の醸成対策、県内就職等の促進対策、後継者・花嫁対策、出生・育児対策等を施策の柱に据えているようであります。本県の人口の減少の主な原因としては若年層を中心とした県外流出が挙げられておりますことから、人口定住促進対策の柱を考えるに当たっては、他県の事例を参考とするほか、特に本県人口減少の特異性を十分に検討していく必要があると認識しております。したがって、今後本県人口の詳細な現状分析並びに将来予測等の調査を行うことにより本県の特異性を十分把握し、また懇談会を開催して県内外の有識者等からも意見を聞くなど、実効性のある施策の樹立に向けて鋭意努力してまいりたいと考えております。なお、人口定住促進行動計画は平成三年度中に策定したいと考えております。以上であります。 69 ◯副議長(山内和夫君) 土木部長。 70 ◯土木部長(池田達哉君) 青森港と県の総合運動公園、それから県営住宅の三点についてお答えします。まず第一点でございますが、青森港中央埠頭の浸水対策の緊急対策と長期的な対策でございますが、中央埠頭の浸水防止対策については、沈下の著しい区間について昭和六十三年度より岸壁かさ上げ工事に着手し、全体計画八百メートルのうち平成二年度までに、約一メーターのかさ上げでございますが二百六十三メートル完了しております。残りのうちで沈下の著しい三百メートルの区間につきましては平成三年度早々にも実施することとしているところでございます。さらに、波浪等により床下浸水した区域の住民のために、まあ緊急的にでございますが、土のう二千袋を用意し民生安定に資することとしております。長期的には、議員御案内のとおりでございますが、沖合に防波堤等を約六百メートル設けまして波の浸入の防止に対応していきたいと考えているものであります。なお排水の円滑化につきましては、県及び市の関係部局とも相談し対応してまいりたいと考えております。  それから県の総合運動公園の整備計画でございますが、この整備につきましては、平成二年度におきまして、国、県及び学識経験者による青森県総合運動公園基本計画検討委員会を設置して整備に係る基本計画を策定したところであります。この基本計画におきましては、県全域からの利用が促進されること、プロ、アマ、老若男女の共存利用が可能なこと、昼夜・通年利用ができること、この三点を基本理念に公園全体を再整備することとしているものでございます。県としては当面この基本計画をもとに、県民から要望の強い施設から整備していくために、平成三年度より事業に着手することといたしまして所要の予算を計上し御審議をお願いしているところであります。今後とも整備計画が着実に達成されるよう鋭意努力してまいる所存でございます。なお今後の整備スケジュールといたしましては、まず都市計画決定でございますが、これは、四月中旬ごろの都市計画地方審議会を経て五月ごろ主務大臣の認可が得られる予定であります。また事業実施関係については、四月初旬に用地測量への着手、八月上旬ごろに用地買収の地元説明会を行いたいと考えているところでございます。  県営住宅でございますが、平成三年度を初年度とする第六期住宅建設五カ年計画を現在策定中であります。平成三年度当初予算には、新設の事業としては、青森市の戸山団地二十四戸、建てかえとして弘前市の城西団地に三十戸、五所川原市松島団地に十六戸、むつ市昭和団地に九戸、住戸改善事業として、弘前市小沢団地の住宅三十六戸を十八戸に改造する計画をそれぞれ予算計上しているところでございます。平成四年度以降の建設計画については、入居状況、建設用地の確保等を勘案しながら第六期住宅建設五カ年計画の中で検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 71 ◯副議長(山内和夫君) むつ小川原開発室長。 72 ◯むつ小川原開発室長(内山克己君) お答えを申し上げます。  まず高レベル放射性廃棄物の処理処分でございますが、議員からお話がございましたように、我が国におきましては、ガラスとともに溶融したキャニスターの中に封じ込めて三十年から五十年間程度冷却のための貯蔵を行った後に地下数百メートルより深い地層の中に処分する、これを基本方針としております。そこで、なぜそれじゃ地層に処分するのかと、その理由としては、放射性物質が万が一処理処分場所から移動したとしても、それが非常に長い時間をかけて人間の生活圏に到達することによって人間の環境に影響を及ぼさないようにする、これが基本的考え方である、このように承知をしてございます。  それから第二点が、処理処分の実施主体については国が責任を負うことになっているが、現在の作業はどうであるか、こういうお尋ねでございます。国は、高レベル放射性廃棄物の処分が適切に行われる段取りとして、今後の研究開発、それから調査の進展状況を見きわめた上で処分事業の実施主体を決定することになっているわけでございます。現在このような方針に基づいて、動力炉・核燃料開発事業団を中核的推進機関として、例えば天然バリアに関する研究とか地質環境特性の調査技術開発などの研究を行っているところでございまして、御指摘ございました、実施主体を決める段階にはまだ至っておりません。県としては、高レベル放射性廃棄物の最終処分についてその具体的方法を早急に確立することは何よりも大事なことと認識しております。したがいまして、今後ともあらゆる機会をとらえて国に対してこのことを強く要望していく所存でございます。  最後に、むつ小川原開発第二次基本計画と企業誘致の関連でお尋ねがあったわけでございます。御案内のとおり、むつ小川原開発地域に原子燃料サイクル施設の立地を受諾した際に、むつ小川原開発第二次基本計画では「付」の形で当該計画を修正いたしまして、「原子燃料サイクル事業関連企業をも含めて多角的に企業立地を推進するものとし、引き続き、そのために必要な港湾、道路などの工業基地の条件整備を進める」このようにしたところでございます。したがいまして、今後当該地域に多角的な企業立地をそれぞれ推進することにつきましては修正をした二次基本計画との整合性は図られているもの、このように考えております。なお、議員から御指摘ございました土地利用計画との段階ではどうかということでございますが、当該むつ小川原開発第二次基本計画を修正した際に、「土地利用計画については、企業の立地が進み、土地利用計画との調整が必要になった時点で国とも協議しながら弾力的な対応を図ってまいる考えである」ということの趣旨を閣議了解でされているところでございまして、その点を踏まえて今後必要になった時点で対応してまいる、こういう考え方でございます。以上です。 73 ◯副議長(山内和夫君) 教育長。 74 ◯教育長(山崎五郎君) 教育指導費にかかわって、学校活性化推進事業の目的と内容についての御質疑にお答えいたします。この事業を行うことといたしました背景と理由でございますが、近年の社会の風潮を見ますと、物質面での生活が豊かになった反面におきまして、自立心とか連帯性とかたくましさなど豊かな心を身につける生活基盤が弱くなってきておるわけでございます。そしてまた一方、自然を愛する心とか美しいものに感動する心、他人を思いやる心などを育成する必要性がこれまた強く叫ばれているのが現状でございます。また、学校生活を見ましても、高校進学率の向上によりまして高校生の興味、関心、進路などが多様化してきてございまして、目的意識を持って有意義な日々の生活を送っている生徒がいる一方で、学ぶことの楽しさや成就感、部活動等における喜びなどを体験することも少なく、無気力、無感動に学校生活を過ごしている生徒がいることもまた事実であるわけでございます。そこで、このような現状の改善に積極的に取り組むために、平成三年度におきまして新たにこの学校活性化推進事業を行うこととしたものでございます。この事業の内容でございますが、魅力ある学校づくりに向けまして、生徒と教師、父母が一体となって行う特色ある教育活動、例えばボランティア活動など豊かな心を育てる活動、勤労体験活動、外国との姉妹校提携活動、学校と地域社会との連携活動、あるいはふるさとの心を育てる伝統文化学習活動等々、そういう事業に積極的に取り組もうとする学校の中から平成三年度は六校を選びまして、一校当たり毎年度百万円を三年間継続交付して実践的研究を行うというものでございます。この事業は、先ほど浅利議員お話しのとおり、大学進学率向上対策事業、これは各校二百万円ずつ三年間措置するという事業でございますが、これとともに、特色ある高校教育を推進しようという、車の両輪となる重点的な事業でございますので、議員の御支援に十分こたえるべく実効ある事業の展開を期してまいりたいというふうに考えます。 75 ◯副議長(山内和夫君) 浅利君。 76 ◯四十八番(浅利 稔君) 教育長さんは最後に「実効あるように」と。実効あらしめるように……。毎年希望のある学校に対してということでありますから、全体に行き渡るように毎年検討していただいて、車の両輪がうまく動くようにやっていただきたいと思います。  住宅でありますが、建設もさることながら、修繕といいますか、補修の要望も各所にあるようであります。それらにも耳を傾けてやっていただきたいことと、古くなって建てかえをしなければならない際に、いろいろと御説明をしながら入居者の同意を得ていくわけでありましょうが、そういう際にも少し、居住者に対する配慮といいますか、わかりやすい説明をしていただきたいという声もございますので、これからの事業の推進に当たってはそういうこともよく頭に入れておいてやっていただきたいと思います。  港湾につきましては、今またかさ上げということでありますが、早くやるべきが──まあ大分距離が長いわけですけれども、いつ強風が来て高波が来るかわからないわけでありますから、今、高速船が発着するあの埠頭のところが大分あいてるようでありますけれども、一斉にかかって一斉にできるような方向で実効を上げていただきたいなと思うわけであります。これからまたかさ上げということを検討しているようでありますが、なるたけ早くやって住民の不安を解消するようにしていただきたい。二千袋の土のうと今言いましたけれども、せんだってのときには土のうが一つもなくて、青森の消防署から派遣された方があそこに土のうを積んだということも聞いております。これから土のうを二千袋用意するようでありますけれども、青森港というのは重要な港湾でもありますし、そういうところに水が上がるなんというのは本当に考えられないことであって、私もこの間見てみましたけれども、海の方が高いんですよ。本当におっかないという表現がぴったりするようなそういう状況があるわけです。ですから、ウオーターフロント構想の実効を上げることも大切でありますが、そういう足元をしっかり固めていただきたいなと思うわけであります。  風評被害の補償でありますが、それが起因になって広がって、それを申し立てによって委員会にかけてというわけですから大分長くかかるような気がするんです。農家の方々や漁業関係者の方々が非常に不安に思ってるのは、稼働しないからないんだと言ってるわけですけれども、今いろんな議論を聞いておりますと、安全協定が締結されると。この要綱には安全協定が締結された後に効力を発するというぐあいに書いてございます。ですから、そういうようなことを考えますと、事の賛否ということではなく、近い将来に来るのではないかということが念頭にあるんじゃないかと思うわけです。ですから、不買運動とは言わなくても、まあ買わないということが事実起こる──不買運動が起きたそのことに起因するものについては即刻──無限補償とまで言ってるわけなんですけれども、この手続を踏むというのには相当長い時間がかかるんじゃないかと思うんです。この手続がなくなるということについては、いわゆる裁判も想定した文面、条項がこの中にあるわけです。ですから、含まれるような今の御答弁ではありますけれども、これを含むというぐあいにちゃんとしなければいわゆる了解も何も得られないのではないかと思うわけであります。各団体から上がってこなきゃならないわけです。その上がるものをどのようにとらえるかというのも問題になるわけです。例えば農協なら農協から出てくるということになるんでしょうけれども、漁業関係者から上がってくることになるんでしょうけれども、それを明確に、そのことも含めてやるというぐあいにしなければならないんじゃないかと思って私は聞いてるわけです。この点はもう一回お願いをいたしたいなと思っております。  それから高レベル廃棄物の最終処分地については、今までやってないでしょう。それを強力に求めていくというだけで果たして実効が上がると思いますでしょうか。今最終施設については審査されている途中でありますけれども、この段階で強力に最終処分地の選定なりを行うようなそういう働きかけをしていかなきゃならない。また、安全審査のその決定の中にも、一時貯蔵を終えたものについての要するに地下処分の場所が、まあ選定までいくかどうかわかりませんが、選定するその体制すらできてないということなんであれば再処理施設の機能というものが最後までいかないということは明確だわけです。その段階でなし崩しに進められるようなことがあってはならないと私は思うわけです。幸い知事も、青森県には置かないということを言いました。また、書面でも科学技術庁からそういうことをとったというぐあいに伺っておりますけれども、じゃ、この再処理施設の建設に当たって、今までのように要請だけしておってこの実効が上がるかということが問題になるわけですが、その点の認識はどのようにお考えになってるのか御答弁をお願いいたしたいと思います。 77 ◯副議長(山内和夫君) 山内副知事。 78 ◯副知事(山内善郎君) 被害の申し立てがあった場合には事業者は誠意を持ってこれに対応すると、ここで大体解決をしてもらいたいと思っております。これで解決できない場合は認定委員会にかけるということになっておりますので、そう長くかからないように事業者に求めていきたいと思っております。また、不買運動も含めてということでございますが、この要綱の最後の十二条に、この要綱に定めるもののほか、被害の処理に関し必要な事項は別に定めると、これは、今後この問題について定めることにいたしますが、この条項はこの要綱に既に盛られている以外のものについて定めることになっておりますので、そういう方向で事業者と折衝してまいりたいと思っております。 79 ◯副議長(山内和夫君) むつ小川原開発室長。 80 ◯むつ小川原開発室長(内山克己君) 高レベルの関係についてお答えを申し上げます。国の高レベル放射性廃棄物の処分の段階につきましては、昭和六十二年六月二十二日に原子力委員会が決定した原子力開発利用長期計画の中で、第一段階、第二段階、第三段階、第四段階というような手順でそれぞれスケジュールを立てて進めることにしているわけでございます。現在第二段階といたしまして、地層処分の技術の確立を目指した研究開発、あるいは地層環境などの適性を評価するための調査、それから処分予定地の選定、これらを実施することにしておりまして、目下研究開発について、日本原子力研究所とか、あるいは動力炉・核燃料開発事業団を中核推進機関としてそれぞれ推進しているわけでございます。そういうような原子力開発利用長期計画に定められた事案でございますから、そういうことで国の長期計画を信用してしかるべきであろう、このように考えてございます。また、県の立場から国に対して要請すること自体は、国としても当該計画を受けて、当該計画の実効あらしめるためにもその要請にこたえてしかるべきであろう、このようにも考えている次第でございます。 81 ◯副議長(山内和夫君) 浅利君。 82 ◯四十八番(浅利 稔君) 不買運動については事業者と話をしてということでありますが、ぜひ入れるべきだ──話をしてやってもらうんじゃなく、こちらからびしっと入れてもらって、そして不安というものをそこで除去しなければならないと私は考えます。やってください。  それから、室長は国を信用してと言うけども、相当長期にわたるものであり、いわゆる貯蔵工学センターの研究もまだなされていない、いわゆる地層処分に対する研究もまだ未完成のままでそれを信用しろったって、これはだれも信用しネわけですよ。いつどういう形でもってできてくるのかわかりませんし、それから、それができてから選定する業者を見つけると、それで見つかればいいですけれども、見つからないわけでしょう。ですから、今の段階で、それを県の方から、今の再処理施設の認可申請についてはその分も付して、明確にするまでは県としても考慮しなければならないというぐらいの姿勢を明確にするべきだと私は思うんですよ。それがなされないままであれば今までとおんなじようになし崩しに進められていくと。私には科学的に安全性とかなんとかを論ずる知識もありませんけれども、この地球の中に賦存されているエネルギーですから、これを使って我々が生存していかなきゃならないということはわかるわけでありますが、今おっしゃっているその姿勢というものはあくまでも事業者側の進める側の姿勢であって、そこから発生する危険性のあるものについて、人間をどうするかという観点に立っていないそういう進め方には賛成しかねるのであります。だから、そういう面に立って、やはり県として今後そこまで──濃縮施設についての安全協定が論じられることになり、今間もなくそういう方向になっていくかもしれない、また低レベルの貯蔵施設についても同じようなことがずっと続いていくかもしれない、ただしかし、一番危険なのは高レベル廃棄物だわけです。今おっしゃったように、一時貯蔵を地上貯蔵ではなくやはり地下貯蔵をしなければならないのであれば、その場所が選定されるそのときまで、それも付して、再処理施設についての建設計画というものについてはやはり異議を申し立てていくのが県の立場だと私は思うわけであります。それでなければ、ただ信用すると言っても、まあ内山さんは信用して今回また続投なさるようなことが報じられておりますけれども、それだけで青森県が守られるかというと、そういうことではないわけです。ですから、もっと明確に──国がやることだからよしとして認めていくという姿勢については私は賛成しかねるわけであります。その点についてもっと強力にやっていくべきだと思うんですが、この認可申請についての県の考え方というものを変えて要求していく姿勢はないかどうか、もう一回お答えをいただきたいと思います。 83 ◯副議長(山内和夫君) むつ小川原開発室長。 84 ◯むつ小川原開発室長(内山克己君) お答えを申し上げます。  高レベル放射性廃棄物の処分につきましては、先ほどもお答えいたしましたとおり、原子力委員会が決定いたしました原子力開発利用長期計画の中で明らかにされているわけでございます。したがいまして国としてはこの長期計画を遂行する責務がある、このように理解をしてございますし、その責務遂行のために不断の努力を国は行うものと考えております。ただ、後半にお話がございましたとおり、県の考え方を国あるいは事業者などにも十分踏まえて付すべきじゃないかというような御指摘もございましたが、県の考え方といたしましては、あくまでも安全性を前提に地域振興に寄与するということで協力をしている立場でございますから、その眼目に照らして、その都度その都度県の考え方等については十分要請し、場合によっては申し入れ、そういうようなことでケースに応じて適切に対処してまいる予定でございます。 85 ◯副議長(山内和夫君) 十五分間休憩いたします。 午後二時五十八分休憩        ───────────────────────────────── 午後三時二十五分再開 86 ◯議長(工藤省三君) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  質疑を続行いたします。二十三番木下千代治君の発言を許可いたします。──木下君。 87 ◯二十三番(木下千代治君) 日本社会党の木下でございますが、前もって質疑の通告をしておりますので、その順序に従いましてお伺いします。  その第一は、議案第一号の歳出二款三項四目「地域振興費」に関連して、下北地域開発基本構想についてお伺いします。このことについてはさきの九月議会においても質問したところでありますが、県としては、本格的に津軽・下北地域開発基本構想の諸施策を推進するため第二次基本計画の策定に入ってるようでありますが、この際、最終確認を含め再度お伺いをするものであります。私はさきの九月議会で、下北地域開発計画の見直しに関連して、計画策定の視点、それから第二次計画の性格と役割、そして地域との調整などについて質問をし、県としての考え方を明らかにさせたのでありますが、今日における下北地域の現状は、他の地域に比較して著しくおくれをとっている地域であります。特に下北地域においては高速交通体系の整備がおくれ、このため下北地域開発のネックは依然として解消されず、このまま推移すると他の地域との格差はますます拡大するのではないかと危惧されるところであります。さきに公表された国勢調査においても下北地域は他の地域に比べて人口の減少が著しく、人口密度もますます希薄になっており、活力のある地域社会の形成が極めて困難になるのではないかとも考えられるのであります。第一次計画実施の総括でも明らかにされているように、下北地域は、これまでの開発の経緯、そして地域の抱える諸条件、さらには今後の発展の方向などを勘案するとき、今や、国並びに県による思い切った公共投資のもとで、他の地域とは違った、下北地域の特性を生かした戦略的な地域開発を進めるべき段階に来ていると考えるのであります。そこで次の点についてお伺いをします。下北地域の開発を進めるに当たり県では第二次基本計画の策定作業中であると思いますが、どのような考え方で策定を進めようとしているのか、また策定に当たってのスケジュールはどうなっているのか、そしてまた第二次基本計画の具体的な振興策の内容にはどのようなものがあるのか、さらにまた第二次基本計画に対し実効性を持たせるための方策はどうなっているのか、について県当局に対してお伺いをするものであります。  その第二は、議案第一号の歳出六款六項二目「水産業企画調査費」に関連して地域共同研究開発事業についてお伺いします。県内における昨年の昆布総生産量は七百七十六トンと言われております。過去十年間で最低を記録したのでありますが、特に主産地である下北、津軽の両半島の海峡に面したところでその生産が非常に減少したのでありますが、その原因は海の砂漠化と言われるいそ焼けであることが挙げられているのであります。このことについては、本県の津軽海峡から日本海にかけての沿岸部においては既に数年前から石灰藻繁茂などによるいそ焼け現象が見られ、このため昆布などの有用海藻の収穫が著しく低下し、特に昆布の主産地である佐井、大間などで漁業生産者からその対策を求める声が強く出されていたのであります。私はこのような漁業生産者の声を踏まえて、昭和六十三年の九月議会と平成二年十二月議会で二度にわたって取り上げ、県に対してその対策を強く要請してきたところであります。ところが、この深刻化するいそ焼け現象を解消するため、県では、岩の表面に付着した石灰藻などの雑海藻を除去する水中ロボットの開発を進め、この水中ロボットによって効率的に石灰藻を削り落としいそ根資源の再生を図るという考えに立っているようでありますが、この事業となる地域共同研究開発事業の仕組みと事業の進め方についてお伺いします。  その三は、議案第一号の歳出七款二項一目「観光振興費」に関連して新青森県観光基本計画についてお伺いします。本県における観光行政は、昭和五十六年に策定した青森県観光基本計画をもとに平成二年を目標年次としてその施策が展開されてきたのでありますが、県内をめぐる観光の現況から見て幾つかの観光振興は見られるが、本県における観光は今後に多くの課題を残していると思われるのであります。このような観点から考えますと、これから策定されようとしておる新青森県観光基本計画は極めて重要性のあるものでなければならないと思うのであります。今日観光資源それ自体が従来と大きく変わってきている事実に着目する必要があります。これまでは観光資源といえば、自然、景観、史跡、温泉、社寺といった天からの授かり物と言えそうなものが特徴的でありましたが、しかし、近年においては観光資源として地場産業が登場してきているのであります。つまり、何でも観光資源になる時代と言われているのであります。問題は、この観光資源が人々にとっていかに魅力的なものであるか、そのように感じさせる企画力と演出力にあると思うのであります。これからの観光開発の基本は、いかにして経済効果を生かすかにあると思います。観光開発が多様な経済効果を引き起こすということは理論的に想定されているし、実証されているのでありますから、現実問題として観光開発の持つ経済効果をいかに十分に発揮させるか、これが観光開発を志向する地域の課題であると言わなければならないのであります。そこで次の点についてお伺いします。一つは、これまで進めてきた観光振興の実績を踏まえ、基本計画での青森県観光基本フレームに対する評価をどのように分析されているのか、その総括的内容について明らかにしてもらいたいのであります。二つは、これからの青森県における観光の課題と展望についてどのように考えているのか、その基本姿勢を明らかにしてもらいたいのであります。三つは、新観光基本計画の中で地域別観光振興の方向を定め、県域全体としての一体的、広域的な事業を推進するものと思われますが、この中で下北地域が持つ役割と課題についてお伺いをするものであります。  その四つは、議案第一号の歳出八款二項三目「道路新設改良費」に関連して下北地域の道路網の整備についてお伺いします。先ほど下北地域開発基本構想の中でも申し上げましたように、下北地域においては高速交通体系の整備が最も大きな課題であると指摘されているのでありますが、しかし、それなりに県当局としても最善の努力を傾注されていることに対しては心から敬意を表するものであります。そのために、青森-脇野沢-佐井間の高速船の就航や、函館-大間間の大型フェリーの運航や大畑-室蘭の大型フェリーの運航、そして観光開発の基盤となるべき半島一周道路及び各観光地を結ぶ道路網の整備も一段と進み始めたことから、各市町村においては地域の活性化を図ろうとする機運が高まってきてるところであります。しかしながら、大きなネックとしてあるのは高速交通機関への円滑な連結であり、下北地域の遠距離性、離島性の克服であり、企業誘致を初め各般にわたる地域開発を図る上で今日最も重要な課題になってるのであります。そこで次の点についてお伺いします。一つは、国道二百七十九号むつ-野辺地間の定時性、高速性の確保についてであります。下北地域の定時性、高速性の確保のためには、国道二百七十九号のむつ-野辺地間の再改築など質的改良整備が必要と考えるものでありますが、県当局の考え方をお伺いするものであります。二つは、下北地域の活性化対策として国道二百七十九号木野部峠の整備についてであります。この木野部峠においては、モータリゼーションの発達に伴う自動車航送量の増大により、昭和五十年度から特殊改良二種工事で一部曲線改良五十三・五メートルが完工されたところでありますが、まだ急坂、急カーブを連続しており、特に冬季間は、大型車両対向時の一時待機、路面凍結によるスリップ事故など危険な現況にあるため、北海道と結ぶ最短距離にありながら航送量は年々減少し、経済的、文化的な面において大きなマイナスとなっているのであります。しかもこれからは、スパイクタイヤの禁止区域としての指定区域だけに、脱スパイクタイヤ対策などを背景として木野部峠の改良整備が極めて重要であると考えるものであります。特にこの問題は下北総合開発期成同盟会の大きな願望であるので、県の考え方をお伺いするのであります。  その五は、議案第一号の歳出十一款一項三目「過年発生漁港災害復旧費」に関連して漁港施設災害復旧工事についてお伺いします。本県は三面海に囲まれ、約七百四十キロメートルの海岸線に約八・一キロメートルに一港の割合で漁港法による指定漁港が点在し、総数で九十一港を数え、漁港保有の全国四十都道府県中第十三位にランクされているのであります。しかも、この県内九十一港の漁港が果たしている役割には極めて大きいものがあるのであります。昭和六十三年度における漁港港勢の概要によりますと、動力船総数が一万三千三隻で、漁港利用率が九〇%となっているのであります。利用漁船総数が一万九千四百八十隻で、漁港利用率が九二・八%となっているのであります。陸揚げ金額総数が一千三十四億四千百万円で、漁港利用率が九三・二%となっているのであります。陸揚げ量総数が八十六万三千六百二十七トンで、漁港利用率が九七・二%となっているのであります。したがって、このような状況から見ても、漁港の占める割合が約九〇%となっており、漁業生産基盤としての極めて大きな役割を果たしていることは評価されるのであります。県としてはこれまで、このような水産業における生産基盤として重要な役割を担っている漁港の整備を積極的に進めてきているところでありますが、昨年秋以降連続して本県を襲った台風などによる高波によって漁港の防波堤などに大きな被害を受けたのでありますが、この被害によるショックは漁民ばかりでなく多くの住民が受けるという災害でありました。したがって、これに対する対策について、漁民や市町村団体においては早期の災害復旧対策を望んでいるのであります。そこで次の点についてお伺いします。このような大きな被害を受けたことから、今後はこの被害状況も参考にしながら漁港整備を進めるべきであると思いますが、県はどのような考え方で暴風、波浪にも耐え得る強力な漁港整備を進めようとしているのかお伺いします。また、既存の漁港などにおいて、港内での港口部などから入った波浪により振り込み波が強く、漁船に多くの被害が発生していることからその対策が最も求められているのでありますが、県の考え方をお伺いするものであります。以上です。 88 ◯議長(工藤省三君) 山内副知事。 89 ◯副知事(山内善郎君) 漁港の整備についてお答えいたします。これにつきましては、昭和六十三年に国が漁港建設に関する技術の集大成をいたしまして、「漁港の施設の技術上の基準について」を定めたところで、これについては水産庁長官の通達があったところであります。現在はこれに基づいて漁港施設の整備を進めているところでございます。しかしながら、ただいま木下議員の御提言もありましたので、今後は、昨秋以来相次いで発生した災害の状況をも十分勘案しながら漁港施設の整備を進めてまいりたいと存じております。 90 ◯議長(工藤省三君) 企画部長。 91 ◯企画部長(佐々木 透君) 第二次下北地域開発基本計画についてお答えします。下北地域の現状に立脚して今後一層下北地域の開発と人口の定住対策の推進に努める必要があることから、平成三年度から十二年度までを計画期間として第二次計画を策定することとし、現在作業を進めているところであります。地元関係者等の意見を十分反映させながら平成三年六月ごろに最終案を作成したいと考えております。第二次計画においては、下北地域における地域経済の自立的発展を図るため、域内及び域外とを結ぶ幹線道路や海上交通体系の整備、下北特産の農林畜水産物や地域の資源を生かした産業の確立、加工・流通戦略の展開とバイオテクノロジー技術や情報システムの活用、企業誘致の促進による工業集積の促進、仏ヶ浦などの観光地の整備や川内リゾートを初めとする特色ある観光拠点の広域観光ネットワークの形成など、地域産業や産業基盤の整備を進め社会経済情勢の変化に適切に対応した振興策を計画してまいりたいと考えております。計画の推進に当たっては、平成三年度から新たに下北開発推進事業費補助制度を設けて、市町村等における先導的かつ広域的な効果を有する事業に対して支援を行うことにつきまして今議会において御審議をお願いしているところであります。また、庁内に設置してある下北地域の開発推進にかかわる連絡会議による公共事業の計画的かつ重点的な推進、各省庁の地域づくり事業の導入、半島振興法に基づく支援制度の活用、国に対する事業費の優先配分などの働きかけなどを行って下北地域の振興を図ってまいりたいと考えております。 92 ◯議長(工藤省三君) 商工労働部長。 93 ◯商工労働部長(清木 直君) 新青森県観光基本計画関連の三点についてお答えいたします。まず第一点は、現計画の基本フレームに対する評価と分析についてであります。現観光基本計画の基本フレームでは、計画目標年次である昭和六十五年の観光レクリエーション客入り込み数を三千三百万人から三千五百万人、宿泊者数を五百六十万人から六百万人、観光消費額を一千三百億円から一千四百億円と見ております。計画目標年次である昭和六十五年、すなわち平成二年の観光統計はいまだまとまっておりませんが、平成元年の実績値で見ますと、宿泊者数こそ五百二十五万人にとどまっているものの、観光レクリエーション客入り込み数は三千五百三十四万人、観光消費額は一千三百五十一億円と既に目標に達しており、計画はおおむね達成されたものと評価いたしております。  第二点の、本県における観光の課題と展望についてであります。本県観光の課題としては、観光レクリエーション入り込み客の増加にもかかわらず宿泊客の伸び悩みが見られるところから、滞在型観光客の増加を図ることに加え、広域化する観光への対応、急激に進む国際化への対応、冬季観光活性化への対応等が基本的な課題になるものと考えております。このため、将来に向けては、リゾート地域等におけるスポーツ・健康増進滞在施設を中心とする滞在保養型の観光開発を促進し、デスティネーションキャンペーンや観光立県推進地方会議の共同開催に見られるように、北東北三県や東北六県、及び北海道との連携により進めている広域観光推進事業の一層の強化を図り、海外での観光物産展の開催や海外旅行エージェントの現地招待会の開催等を通じ外国人観光客の積極的誘致を行うほか、冬季スポーツや冬季イベントの開発促進に加え、温泉や味覚を含む冬季観光宣伝の一層の拡充に取り組んでいくこと等が重要であると考えております。  最後、第三点の、新観光基本計画の中で定められる地域別観光振興の方向の中での、下北地域が持つ役割と課題についてであります。下北地域は、日本三大霊場に数えられる恐山を初め、仏ヶ浦や尻屋崎、大間崎、薬研温泉や下風呂温泉に代表される、山岳、湖、渓谷、海岸、温泉等のすばらしい自然資源や、郷土色豊かな芸能等の人文資源など豊富な観光資源を抱えていることから、現計画の広域観光ルートの中に下北地域は主要な観光地として位置づけられております。新しい計画の中でも、地元市町村の意見を踏まえながら、豊かな観光資源を十分に取り込み、地域の特性を生かした観光振興策を検討してまいりたいと考えております。なお、下北地域は、冬季の観光入り込み客が少ないことから冬季においても観光客を誘致できる観光資源の開発が求められているほか、他の地域に比較し遠隔地にあることから観光客にとっての交通アクセスの向上が観光の課題として考えられております。以上でございます。 94 ◯議長(工藤省三君) 水産部長。 95 ◯水産部長(前多喜雄君) 木下議員の水産に関する御質問にお答えをいたします。  まず地域共同研究開発事業についてでございますが、この地域共同研究開発事業は、最近沿岸の各地で問題となってございますいそ焼け現象の対策として、岩の表面に付着した石灰藻、ホンダワラなどの雑海藻等を除去し、昆布などの有用海藻類の漁場再生を図るための水中ロボットシステムを開発するものでございます。この事業は、科学技術庁が、地域における海洋科学の振興や普及、及び海域の総合利用の促進を図るために進めてございますアクアマリン計画の一環として実施する事業でございまして、地域の海域総合利用に必要な技術課題につきまして、世界に誇る「しんかい六五〇〇」や無人探査機「ドルフィン3K」を開発いたしました、高度な海洋開発技術を有する海洋科学技術センターと、地元海域の特性に関する知見と水産技術を有する本県との共同で、平成三年度から三カ年計画で研究開発をするものでございます。平成三年度は試験海域の事前調査とシステム設計、平成四年度は試験用水中ロボットシステムの作製、そして平成五年度には実証試験及びシステムの評価を行うこととしているものでございます。この事業で開発する水中ロボットは海中での作業をするものでございますので、沿岸域の波浪等に対する耐波性、また起伏の激しい海底での作業を安定的に実施するなど今までに前例のない課題が多いわけでありますが、水中ロボット開発の基礎となるシステム設計がこのため大変重要であると考えているところでございます。平成三年度はその研究を行うことといたしておるものでございます。  次に、港口部等から入った波浪による漁船被害についての対策についてでございます。漁港施設の波浪対策としては、漁港の港口部等から進入する波、及び、漁船、施設等に最も危険を与える方向から進入する波を防止することを主目的に防波堤等の整備を行っているところでございます。今後は、今回のこの漁船災害の実態を考慮いたしまして地域に合った波除堤の設置を検討するなどして、進入する波の防止対策をも十分勘案し港内での漁船事故防止に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。 96 ◯議長(工藤省三君) 土木部長。 97 ◯土木部長(池田達哉君) 下北地域の道路二点についてお答えいたします。第一点は、国道二百七十九号むつ-野辺地間の再改築等の質的改良整備でございます。国道二百七十九号は、下北地域半島振興計画の中で国道三百三十八号とともに半島循環道路に指定された重要な幹線道路でありまして、下北地域への定時性、高速性の確保を念頭に、横浜バイパスの供用に引き続き、野辺地中心街を迂回し国道四号に直結する野辺地バイパスに着工する等これまでも再改築整備を進めてきたところでございます。今後の国道二百七十九号の機能強化策として、縦断線形の改良を一層進めるほか、追い越し車線の設置、JR大湊線の立体化等その効果的な整備の方策について検討を加えているところであり、平成三年度においてはその計画の一環として縦断線形の改良事業を行うことにしております。今後とも、既着工区間の進捗を勘案しながら順次整備を進め、幹線道路としての機能強化に努めてまいりたいと考えております。  二点目でございますが、国道二百七十九号の木野部峠の整備でございます。これは再三要望がある峠でございますが、下北地域の活性化を図るためには道路網の整備が不可欠という観点から、これまでも国道二百七十九号の整備については、大畑バイパスに引き続いて正津川工区に着手する等整備促進に努めてきたところであります。大湊町(後刻大畑町に訂正)木野部峠については改築済みとはなっているものの、急坂、急カーブが連続しておりまして、脱スパイクタイヤに向けての対応等その整備が要請されているところから、その一環として大畑町の赤川地区及び湯坂下地区にチェーン着脱所の設置を計画しているところであります。議員御提言の木野部峠の道路改良計画につきましては、現在調査を進めておりますその調査結果を踏まえ国と協議する等、今後とも事業の実現化に向けまして努力してまいりたいと考えております。以上です。  先ほどの答弁の中で、大畑町木野部峠と言うところを──大畑町と言うところを大湊町と言ったようでございまして、大畑町木野部峠に訂正さしていただきます。 98 ◯議長(工藤省三君) 木下君。 99 ◯二十三番(木下千代治君) 漁港問題、災害問題が答弁ないんじゃないですか。 100 ◯議長(工藤省三君) 水産部長。 101 ◯水産部長(前多喜雄君) 昨年秋以来の漁港の災害につきましてお答えいたします。平成二年一月から十二月までに発生いたしました漁港関係の災害につきましては、平成三年一月までにすべて国の災害査定が完了したところでございます。現在緊急を要するものから順次復旧に努めているところでございます。また、平成三年二月の強風波浪によって発生した災害につきましても、緊急を要するものにつきましては国と応急協議を行って復旧することといたしてございます。議員御提言のこの災害の状況を踏まえまして今後とも漁港整備に努力してまいりたいと考えております。以上であります。 102 ◯議長(工藤省三君) 木下君。 103 ◯二十三番(木下千代治君) それでは二、三点簡単に要望と質問をします。  下北開発構想の問題については確かに住民は大変大きな期待をしているところでありますけれども、これは、これまでの、例えばマリノポリス建設とかカルチャーランド建設、そして下北ブランドの創出というようなそういう戦略的プロジェクトというものを一つの基盤として作成されてきてるわけでありますけれども、今これからつくる計画の中ではこれらの重要部面というものを踏襲するのかどうかという点の考え方をひとつお伺いしたい、こういうことであります。  それから漁港施設災害復旧工事の関連で、今回の災害の経験を踏まえてと言うわけでありますけれども、既設のつくられた中での漁港等々を見ますと、強風、暴風、そういう波浪が強いときにはやはり前から一応考えられた災害の状況ではないのかと。例えば、テトラというものを十分積んで波を弱くするというようなそういう対応が水深の深いところの重要部面にはないとか、その弱点を今回つかれたわけでありますから、したがってこれからの災害復旧も、単にもとの形に復旧すればいいんだというそういう発想でなくて、これらの経験を踏まえてやはり十分な対応をすべきではないかと。したがって、その場合においてはやはり何としても地元の漁民の皆さんとも十分相談をした方が、その土地土地のいろいろな事情がありますから、そういう点のことをやって強力な漁港というものをつくってもらいたい、これは要望をしておきます。  それから下北道路の関連で、言ってることはわかりますけれども、願いというのはもっと一歩進んだ段階というようなことなんでありまして、青森を中心にして所要時間が二時間半-三時間かかるという一つの状況の中では、二百七十九号線の現道を若干整備したところでそういう問題は解消されない、現道は非常にでこぼこがあり、そういう点ではなかなかスピードというものが速められない、こういう一つの弊害があるわけでありますから、やはりこれは、定時・高速性と言うけれども、本来の意味での定時・高速性というものに向かってひとつ一歩踏み込んだそういう取り組みをやってもらわなければなかなか問題解消にはならないんじゃないか、という点であります。  それから木野部峠の問題でございますけれども、これも、曲がり角があり急坂だということで、まあ現在はそれでも利用していますけれども、冬になりますと大変な事故が発生する等々の中で、これも非常に大きな課題なんであります。昔の古いトンネルを改良してやったらどうかという問題もあるし、海岸のところを半分削って道路を通した方がいいのではないかとか、峠に対するそういう改良策というものが第一案、第二案、第三案というふうにあるんでありますけども、そういう問題をどのようにとらえて考えるのかという点の説明がないんであります。現道を改良するだけでは抜本的な改良にはならないということからいうならば、一歩踏み込んだそういう抜本的な対策というものを木野部にできないのか、こういうことに対してもしあるとすればその考え方を明らかにしてもらいたい。  それから、地域共同研究開発の問題でロボットをつくって対策を立てるということについては非常に結構な話でございますけども、しかし、それはこれから三年後の話だというふうになりますと、その三年までの、今非常にいそが枯れておるし昆布の発生もなかなか大変だという状況の中で、まあそれはそれなりに進めてもらうことにして、もう一つの面で、やはり繁茂できるようなそういう一つの道筋がないのかという点もこれは注文としてつけたいところでありますけども、そういう点についてもし考えてるとすれば、そういう一つの考え方をこの際明らかにしてもらいたい。以上です。 104 ◯議長(工藤省三君) 企画部長。 105 ◯企画部長(佐々木 透君) 基本的にはこれまでの下北開発基本構想並びに第一次計画を踏襲いたします。先ほど議員御指摘のような現状認識の上に立って第二次計画を策定したいと考えております。以上です。 106 ◯議長(工藤省三君) 水産部長。 107 ◯水産部長(前多喜雄君) いそ焼け対策のロボット完成までの対策といたしましては、沿整事業等によります投石事業等も現在実施してございますし、あるいは、昆布の種子を張りつけた増養殖──ロープ等でやりますが、このようなこともやりながら地域の新しい昆布の再生を図り、一方ではまたそういうロボットの開発を進めながら今後に対応してまいりたい、こう思っております。以上でございます。 108 ◯議長(工藤省三君) 土木部長。 109 ◯土木部長(池田達哉君) 木野部峠の件でございますが、現道の改良だけではなくて新設も含めていろいろ比較検討しております。今後建設省ともさらにいろいろ協議を進めてまいりたいと思います。 110 ◯議長(工藤省三君) これをもって質疑を終わります。        ─────────────────────────────────            ◎ 人事案件委員会付託省略        ───────────────────────────────── 111 ◯議長(工藤省三君) お諮りいたします。議案第四十六号及び議案第四十七号は人事案件につき委員会付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 112 ◯議長(工藤省三君) 御異議なしと認めます。よってさよう決定いたしました。        ─────────────────────────────────            ◎ 議案所管委員会付託        ───────────────────────────────── 113 ◯議長(工藤省三君) 次に、議案第一号から議案第四十五号までは、お手元に配付してあります議案付託表のとおりそれぞれ所管委員会に付託いたします。        ─────────────────────────────────            ◎ 請願上程・所管委員会付託        ───────────────────────────────── 114 ◯議長(工藤省三君) 請願受理番号第一号「湾岸戦争終結にあたり、日本政府の九〇億ドルの戦費負担と自衛隊の海外派遣の策動をやめさせるよう貴議会の決議を求めることについて」外一件を一括議題といたします。  ただいま議題となりました請願二件は、お手元に配付してあります請願文書表のとおりそれぞれ所管委員会に付託いたします。
           ─────────────────────────────────            ◎ 日程追加・順序変更、発議上程        ───────────────────────────────── 115 ◯議長(工藤省三君) お諮りいたします。発議第一号を日程に追加し、順序を変更して直ちに議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 116 ◯議長(工藤省三君) 御異議なしと認めます。よってさよう決定いたしました。  発議第一号を議題といたします。  ただいま議題となりました発議案を職員に朗読させます。  〔職員朗読〕   発議第一号  核燃料再処理施設及び高レベル廃棄物貯蔵施設の白紙撤回を求める決議案    右会議規則第十五条の規定により提出する。     平成三年三月十二日                                提 出 者                                 青森県議会議員                                  鳥谷部   孝  志                                  小田桐      健                                  建  部  玲  子                                  福  岡  礼次郎                                  細  井  石太郎                                  木  下  千代治                                  今 村      修                                  木  村  公  麿                                  工  藤     章                                  諏  訪  益  一                                  浅  利     稔                                  間  山  隆  彦    青森県議会議長  工  藤  省  三  殿                                           以 上        ─────────────────────────────────            ◎ 発議第一号提案理由説明        ───────────────────────────────── 117 ◯議長(工藤省三君) 発議第一号に対して提案者の説明を求めます。十一番今村修君の登壇を許可いたします。──今村君。  〔十一番(今村 修君)登壇〕 118 ◯十一番(今村 修君) 日本社会党の今村修であります。「核燃料再処理施設及び高レベル廃棄物貯蔵施設の白紙撤回を求める決議案」を提案いたしますので、議員各位の満場の御賛同を心からお願い申し上げます。  私どもは昨年、イギリス、フランスの再処理工場を調査視察いたしました。イギリスのセラフィールド再処理工場付近の海岸で砂にガイガーカウンターを近づけた途端、バリバリと鳴り出し針がぴんとはね上がり、私たちはびっくりしたものであります。この周辺の小児白血病は他の地域と比較し十倍も高い、渡り鳥の卵がふ化しなくなり、寄りつかなくなった、放射能汚染で海岸での遊泳が禁止になった、などと聞き、その影響にびっくりしたものであります。一方、フランスのラアーグ再処理工場見学後、工場の紹介で地元政治家と懇談いたしました。医者である地元県会議員が「私は原子力に賛成の立場ではあるが、再処理工場から放出される放射能が三十年後、四十年後に人間や自然にどんな影響を与えるか大変心配です」と述べたことに、思いは同じであるとの共感を覚えたのであります。国や電事連、そして青森県までもが「核燃料サイクル施設は安全だ」と繰り返し発言しています。しかし、「絶対安全でそんな事故は起こらない」と国や電事連が明言してきた事故が発生しました。二月九日に関西電力美浜第二原発で起きたギロチン破断は、あわや重大事故という一歩手前で緊急炉心冷却装置が作動し、がけっ縁でとまりました。この美浜第二原発の事故は、その真相が明らかになるに従ってそのずさんさが改めて指摘されています。一歩間違えばスリーマイルやチェルノブイリ原発のようにメルトダウン、放射能の大量放出という最悪の事態になっていたものだけに、徹底した原因究明が必要です。しかしその後も、東京電力柏崎原発の緊急停止、東北電力女川原発の蒸気漏れ事故、東海村の日本原子力研究所での放射能漏れ事故、東海再処理工場での圧力急上昇によるウラン溶解槽の初めての自動停止事故などが相次いで発生しています。一歩間違えば重大事故につながるこれらの事故は、絶対安全という国や電事連の主張を根底から覆すものであります。ところで、北村知事はさきの知事選挙で、「安全性が一二〇%確保されない限り進めない」と後援会ニュースの一問一答で公言しています。しかし北村知事は、この後援会ニュースの発言はうそだと開き直りました。知事選挙の中で県内各世帯に配布された北村正哉後援会発行のニュースが選挙後知事自身によってうそだと言われたのにはびっくり仰天しました。何を信用してよいのか、ただただ余りの無責任さにあきれ果てるのみであります。こんな状況の中では「安全性は確保される」との発言は全く説得力を持ちません。また、「核燃は地域振興の起爆剤になる」と言うが、イギリス、フランスの再処理工場が人里から遠く離れた場所にぽつんとつくられている現状を見るとき、いかにまやかしであるか明らかであります。そして、イギリス、フランスを初め世界各国でも高レベル廃棄物の最終処分場はいまだ定まっていません。脱原発という世界の流れの中で、国や電事連の真のねらいは六ヶ所村に高レベル廃棄物最終処分場をつくることであり、百年と言われる一時貯蔵はそのことを物語っているのではないでしょうか。六ヶ所村を核のごみ捨て場にするこれらの建設を私どもは認めることができないのであります。こうした国や電事連のねらいに不安を持っている多くの県民は、さきの知事選や参議院補欠選挙の中でも核燃に反対の態度を明らかにしています。核燃の建設は青森県をまさに哀れな道に引きずり込むものであります。緑豊かな大地と青い海を守り青森県の将来を憂える立場から「核燃料再処理施設及び高レベル廃棄物貯蔵施設の白紙撤回を求める決議案」を提案するものであります。議員各位の御理解と御賛同を心からお願い申し上げ提案といたします。ありがとうございました。 119 ◯議長(工藤省三君) ただいまの説明に対して質疑を行います。質疑はありませんか。  〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕 120 ◯議長(工藤省三君) 質疑なしと認めます。  お諮りいたします。発議第一号は委員会付託及び討論を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 121 ◯議長(工藤省三君) 御異議なしと認めます。よってさよう決定いたしました。        ─────────────────────────────────            ◎ 発 議 第 一 号 採 決        ───────────────────────────────── 122 ◯議長(工藤省三君) 発議第一号を採決いたします。発議第一号「核燃料再処理施設及び高レベル廃棄物貯蔵施設の白紙撤回を求める決議案」、本件の原案に賛成の方は御起立を願います。  〔賛成者起立〕 123 ◯議長(工藤省三君) 起立少数であります。よって原案は否決されました。        ─────────────────────────────────            ◎ 本 会 議 休 会 提 議        ───────────────────────────────── 124 ◯議長(工藤省三君) 本職より提議があります。お諮りいたします。各常任委員会開催のため明十三日及び十四日の二日間休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 125 ◯議長(工藤省三君) 御異議なしと認めます。よってさよう決定いたしました。  以上をもって本日の議事は終了いたしました。三月十五日は午後一時より本会議を開きます。本日はこれをもって散会いたします。 午後四時十六分散会 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...